神の存在-290
神の存否-290 スピノザ「エチカ」第三部に入る前に、エチカ著作当時の天文・物理科学の時代背景に注目してみたい。ガリレオ・ガリレイ(伊: Galileo Galilei、ユリウス暦1564年2月15日 - グレゴリオ暦1642年1月8日)やアイザック・ニュートン(英: (Sir) Isaac Newton、ユリウス暦:1642年12月25日 - 1727年3月20日、グレゴリオ暦:1643年1月4日 - 1727年3月31日)と粗方同時代であるバールーフ・デ・スピノザ(Baruch De Spinoza [baːˈrux spɪˈnoːzaː]、1632年11月24日 - 1677年2月21日)も其の風潮の影響は大きかったに相違ありません。当時の世界観から見れば宇宙は世界であり、無限無久、永劫の存在で唯一の世界「ユニ・バース」であった筈です。即ち、スピノザの云う世界の有り様は「神=世界=宇宙=法則」が成り立つ世界でした。ところが、21世紀の現代AI技術を駆使した天文・物理科学はアルベルト・アインシュタイン(独: Albert Einstein、1879年3月14日 - 1955年4月18日)を始めにして、天文学では我々の銀河系の外にも銀河が存在することや、それらの銀河からの光が宇宙膨張に伴って赤方偏移していることを発見したエドウィン・パウエル・ハッブル(Edwin Powell Hubble, 1889年11月20日 - 1953年9月28日)の登場により、天文科学はもとより物理科学の超速的な新たな認識論を生み、21世紀現在ではビッグバン理論でさえ過去とするインフレーション理論、更には宇宙は唯一無二とする過去のユニ・バース認識を覆すマルチユニバース若しくはマルチバース理論が提唱され、スピノザの云う世界の有り様が、「神=世界>宇宙>法則」へと変容しています。哲学・思想ランキング