【プレイ日記】秋葉原クソゲー会
賢明なる読者諸兄は「もったいないお化け」をご存じだろう。食べ物を粗末にすると化けて出るというあれだ。だが、この「もったいないお化け」のボードゲーム版があることは意外に知られていない。 自分ではゲームを持ち込んだり購入したりせず、他人が持ち込んだゲームばかり遊ぶ。そのくせ「このゲームはここがこうだからクソゲー」と難癖ばかりつける……特にオープン会に頻繁に足を運んでいる読者諸兄なら、こんな困ったちゃんに1人くらいは心当たりがあるだろう。そんなボドゲを愛でる心を失ったゲーマーの元に、その招待状は届く。それがボードゲーム版「もったいないお化け」、通称「クソゲー会」である。今回、取材班は初めてクソゲー会内部にカメラを入れることに成功した。以下はその一部始終である。被害者はかろくさん、ふうかさん、いたるさん、私の4人。プライバシー保護のため、主催が誰だったかはあえて伏せておく。●ミスリルの王 和訳ルールはこちら。 まずは小手調べ。プレイヤーはミスリル王国で暮らすドワーフ氏族の長となり、他氏族より優位に立って国王となることを目指す。 手番の最初に三角形(!)の土地タイルを好きなだけ買う。山中に置けるタイルを買うには平原で手に入る麦が必要で、平原に置けるタイルを買うには山中で手に入る金属が必要だ。河原で取れる砂金はワイルド資源だが、入手条件が少し厳しい。 そのあと、タイルをルールに従ってボード上に置く。タイルの種類や置いた場所によって影響力カードが手に入ったり、のちのち資源が手に入る(かもしれない)施設が建設できたりする。 最後に4面ダイス(!)を2個振って、廷吏駒の移動先と、ただで手に入る土地タイルの種類を決める。廷吏駒が止まったところに自分の施設があれば、対応する資源が手に入る。 廷吏駒が規定回数(4人プレイ時は9周)だけマップ上を周回したらゲーム終了。ここが風変わりなのだが、4人プレイでは3回の選挙によって勝者を決める。ゲーム中に獲得できる影響力は7分野に渡り、軍事分野の影響力はそのまま得票数になるのだが、他の6分野では1位だけが5票を得る。1回の選挙のたびに最下位プレイヤーが脱落するので、ある分野での1位が変わることがある。決戦選挙に勝ったプレイヤーの勝ち。 まあダイスゲーだ。しかも超転がりにくい4面ダイスw 手番終了時に得られる無料の土地タイルで当たりを引くかどうかで勝敗は大きく変わる。資源でタイルを買うこともできるが、何しろ肝心の資源が滅多に手に入らない。マップが広いので、廷吏駒が一度自分の施設を通過してしまうと次に戻ってくるまで結構かかるのだ。 うまいこと廷吏駒が施設に止まってくれたいたるさんが終始リードし、最後に複数回選挙をするまでもなくぶっちぎった。私は勝敗にこそ絡めなかったが、有用な「村」や「塔」タイルをダイスロールでゲットできたので、その配置に悩んでそこそこ楽しむことができた。 ひどいめにあったのはかろくさん。初期資源を全部道タイルにしてしまったのが運の尽きだった。施設を建設するには「村」か「工房」タイルが必須なのだ。このため手番終了時のランダムタイルでそれらが手に入ることに賭けるしかなくなってしまったが、来るのは道タイルばかりw 施設がなければ、廷吏駒が自領土を通り過ぎるのを指をくわえて見守るしかなく、手番の最後にもらった道タイルを次の手番に置いてダイスを振るだけw ゲーム中盤あたりからはボード外周にタイルを置いて「国境警備」影響力カードを引いて頑張ってはいたが……箱絵とタイトルに惹かれてこのゲームを買ったのはかろくさんだそうだが、一番クソゲーだと思ったのもかろくさんじゃないだろうかw しかしまあ、軽いダイスゲーだと思えば遊べなくもない。比較的短時間で終わるし。これよりひどいゲームはいくらでもある。クソゲー会もたいしたことないなw ,j;;;;;j,. ---一、 ` ―--‐、_ l;;;;;; {;;;;;;ゝ T辷iフ i f'辷jァ !i;;;;; ヾ;;;ハ ノ .::!lリ;;r゙ `Z;i 〈.,_..,. ノ;;;;;;;;> そんなふうに考えていた時期が ,;ぇハ、 、_,.ー-、_',. ,f゙: Y;;f. 俺にもありました ~''戈ヽ `二´ r'´:::. `!●ルパン三世Today's EXCREMENT GAME!! まずはこれまでクソゲー呼ばわりした大半のゲームに謝りたい(「族王」を除く)。申し訳ありませんでした。あなたがたはクソゲーではありませんでした。 正直言って、このゲームのクソさを私の語彙で正しく伝える自信がない。加えて、ゲーム終盤の私は曖昧な状態にあったため、記憶が定かではない。それでもできるだけのことを伝えよう。誰かがこの凶悪な地雷を踏むことのないように。 プレイヤーは銭形率いる警察側か、ルパン一味側になる。ルパン一味は13ターン以内にお宝をゲットして全員で脱出できれば勝ち(不二子は自分だけがお宝を持って逃げても勝ち)、銭形側はそれを阻止すれば勝ち。ゲームの目的はテーマに合っている。コンポーネントも1つ1つはいい。フィギュアも言うほど悪くはない。しかしルールのほぼすべてが駄目だったw ルパン側は警察に見つかるまではボード上にフィギュアを置かず、位置を用紙にプロットする。スコットランドヤードみたいなもの。しかし発見のルールが「同じマスに警察がいる」ではなく、難解な視線ルールを採用しているため、自分が見つかってるかどうかを確認するのが一苦労w しかもルパン一味同士の会話が原則禁止なので、一味側でさえ互いにどこにいるのか分からないため、連携の取りようがないw また、警官の数が多く、移動範囲は極めて限られているため、一度発見されたら再び隠れるのはほぼ不可能。 警官はZOC持ちなので、道に陣取られたら通れない。迂回してもいいが、何しろ数が多いので完封されることもある。ではどうするか。射殺するか斬殺するのだw ルパン一味は基本装備(ワルサーP38とか斬鉄剣とか)を持ってる上、それとは別に「ライフル」とか「投げナイフ」とかのアイテムを2つまで使うことができる。「じゃあルパンの手番ね。移動して警官をワルサーで撃ちます。外れ。じゃあライフル撃ちます。うーん、外れ。仕方ない、手榴弾で一網打尽にします」こんなことが繰り返されるw 他にも「移動ルールが(カードルールも)曖昧すぎてどうしていいかまったく分からない」とか、「マップ上を勝手に移動するバスに乗ってるあいだは絶対捕まらないルールなので、うろうろするよりバスに乗って目的地まで自動的に連れてってもらった方が早い」とか、「殺した警官は1匹ずつ再補充されるので、立ち位置によってはルパン一味が身動き取れなくなる」とか、「銭形は殺すと全快で復活するので、3ダメ与えて移動力にペナルティ食らった状態で生殺しにした方がいい」とか、とにかくあらゆることがダメ。よほど途中終了を申し出ようかと思ったが、13ターンで終わることだけは確かなので、それを心の支えにして最後までプレイした。警官は皆殺しにしたものの、泥棒には失敗したので銭形プレイヤーの勝ち。しかし全員がゲーム終了を心から祝福したw ボドゲ細胞が退化しているのを感じる……この俺のクソゲーフルコースにふさわしいゲームだぜ!前菜……エボリューション(捕獲レベル6)スープ……魚料理……肉料理……ルパン三世ボードゲーム(捕獲レベル26) ←New!メイン……族王(捕獲レベル32)サラダ……デザート……猫娘におしおき!(捕獲レベル3)ドリンク……●アドベンチャラーズ:ホルスのピラミッド ルパンのあとなら何やったって面白いだろう。テーマもいいし……と思っていたのに、何とも盛り上がりに欠けるゲームだった。どこが悪いとは言えないのに、なぜかつまらない。一つ一つのルールがかみ合っていないというか、危険をもたらすルールが機能していないというか……あっという間に入り口が落石でふさがり、全員敗北で終わったせいもあるか。でもこうなる可能性は結構あるし、誰かが勝ったとしても評価は上がらなそう。「文句はないけどつまらない」という、ある意味一番駄目なクソゲー。まったく記憶に残らないタイプ。テーマはいいんだけどなあ。●オリンピーク 和訳ルールはこちら。 皆脳みそがゆだっていたため、箱を開けた瞬間に大爆笑w 上の白いダイスは比較用の通常サイズで、隣にある花の種みたいなのが選手駒として入ってた6面ダイスw なんだこの小ささはw ピンセット使わせる気かw そもそも何で駒なのにダイス使ってんだよw と、もう箸が転がってもおかしい精神状態だったw 2連単で1位と2位になる選手を密かに予想し、その選手がその順位になるように手札を使って進めていくゲーム。しかし予想の種になるのは最初の手札だけ。プレイ中に引くカードの方がずっと多いので、どの選手が勝つかなんて分かるわけもないw それでも2ラウンド目以降は他プレイヤーの動きから賭けてる選手を予測したり、こちらの動きを読まれないようにしたりと、意外にゲームになってた。やるじゃん、イスラエルゲーw 狙ったとおりの順位に選手をつけ、勝ったと思っていたが、勘違いして別の選手に賭けていたために敗北w 一生懸命白選手を2位にしたのに、自分が2位だと予想してたのは緑選手だったw これだけでも、どれほど疲労していたかを分かってもらえるだろうw 最後に木こりゲー(こちらの日記参照)をやってお開き。このラインナップだと木こりゲーが神ゲーに思えたw 最近、どのゲームをやってもつまらないとか思っていないだろうか。それはボドゲ愛を失いかけている証拠。どんなゲームも、まずは楽しもうとする姿勢が大事だ。それを忘れたとき、次に「クソゲー会」の招待状を受け取るのはあなたかもしれない……。