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テーマ:本のある暮らし(3195)
カテゴリ:本
太宰治著「津軽」、読了。 読み終わるのに、 10日以上も要してしまいました。 おそらく、完読したのは、 10代のころ以来と思いますが、 10代の頃は、 1日で読んでしまったのではないでしょうか。 10代のある一時期、 本を読むことを、 何かの「課題」みたいに感じていたことがございまして、 ある夏休みなどは、 「1日1冊読破!」を自分に課していました。 今から思うと、 何をバカなことをしていたものか、 と、思わないわけでもございませぬ。 ともかく、たくさん本を読んでいることを、 得意に思っていたのでございましょう。 今回、「津軽」を久しぶりに再読するにあたりまして、 ゆっくりと、味わうように読もうと決めていました。 小説の中で、「私(太宰)」は、 津軽の各所で、ゆかりの人達と会い、 旅のひとときを一緒に過ごしています。 今から思うと、 小説の中の旅のスピードと、 今回のわたしの読書のスピードは、 ちょうど歩調が合っている感じでございました。 それで、改めて、 思ったこともありました。 小説の筋を書いてしまうのも無粋なので、 ぼかしますが、 この小説を読む前は、 小説のラストシーンばかりが、 浮き立って印象に残っておりました。 でも、今回、ゆっくりと読み返してみまして、 ほかのシーンでも、 印象に残る箇所が、随所にありました。 例えば、小説の中ほど、 金木の生家に戻り、 兄や兄嫁、姪、そのお婿(むこ)さんらと一緒に、 近隣の山や溜め池に、ハイキングに行くシーン。 久しぶりに会う家族、新しい家族らと、 和気藹々(わきあいあい)と交流する一方、 兄に対しては、どこか、ぎこちなさが残る感じ。 山の上から、 自分の故郷、津軽平野を一望するくだり。 わたしも、自然と、感情移入しまして、 そのシーンを読んでおりました。 ふと、ここに登場する人物は全員、 今は亡くなっているのかもしれないなぁ…と思いまして、 当たり前といえば、当たり前の話なのでありますが、 ちょっと不思議な感じにとらわれました。 小説「津軽」の中には、 六十年前の津軽の風情が、 しっかりと生きているんでありますな。 …って、わたくし、 六十年前の津軽は、知らないんですけどね! 28歳だし。。。 ここ最近、スピードの速さばかり、 もてはやされる風潮もございますが、 たまには、ゆっくりとペースを落として、 本を読んでみるのも、 乙なものであります。 追記 読了直後の感想は、 「太宰も、いい小説を残してくれたものだなぁ」でした。 そうして、「津軽」という、 その小説のタイトルを改めて眺めていました。 太宰の小説は、若者向きのイメージがありますが、 30代以降の人には、再読をおすすめいたします。 特に、津軽出身の方には。 いい小説です。 ↓応援していただける方は、ぽちっとな♪ ただいま、東北ランキング7位前後です。 みなさまの応援のおかげでございます。 ありがとうございます。感謝感謝。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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