レビュー#93 SHIRLEY & DOLLY COLLINS 《LOVE,DEATH AND LADY》 70年英国
Death & The LadyGlenlogie (Child#238)The Oxford GirlAre You Going To Leave Me?The Outlandish Knight (Child#4)Go From My WindowYoung Girl Cut Down In Her PrimeGeordie (Child#209)Salisbury PlainFair Maid Of IslingtonSix DukesPolly On The ShorePlains Of WaterlooSailor From DoverYoung JohnShort Jacket & White TrousersThe Bold Fisherman Shirley CollinsvoDolly Collinsflute organ, pChristopher HogwoodharpsichordAlan LumsdensackbutAdam Skeapingbass viol, violoneRoderick Skeapingbass violEleanor SloanrebecJohn FordhamrecorderTerry CoxperPeter Woodconcertina 「元祖ブリティッシュ・トラッドの女王」シャーリー(35年7月5日生まれ)が姉のドリー(33年3月6日生まれ、95年9月25日死去)と制作した作品。 その歌声は垢抜けないルックスのイメージ通り、儚く繊細なもの。抑揚を極力抑えた歌唱は、聴けば聴くほど味が出る。ジョン・レンボーン・グループの名演で有名な“死と乙女”やセリア・ハンフリーズの歌声が瑞々しいトゥリーズの“ジョーディ”等、おなじみのトラッドが数多く収録されている。 基本的にシャーリーのヴォーカルを前面に押し出しているが、使われている楽器もハープシコード、リコーダー、サックバット、ヴィオール、レベックといった古楽器が中心。 英国フォーク界を代表するシンガーとして確固たる地位を築いたものの、70年代後半に惜しくも引退してしまった。 ちなみに同じく英フォークのキー・パーソンの1人、アシュレイ・ハッチングスとは一時期夫婦関係にあった。ハッチングスの立ち上げたアルビオン(・ダンス/カントリー)・バンドはちょくちょくシャーリーのバッキングを務めている。 ハープシコード:チェンバロの英語名。 サックバット:トロンボーンのような形状の楽器。 バスヴィオール:チェロと同じような構えで弾く弦楽器。バイオリン類とは違い、フレットが付いているのが特徴。 ヴィオローネ:コントラバスの前身となった、ヴィオール属の最低声の楽器。 レベック:バイオリンのように構えて奏でられる。音色は心持ち平べったい。 コンサーティーナ:19世紀に考案された蛇腹楽器。英国やアイルランドのフォーク音楽にしばしば登場する。