レビュー#522 PHILIP PICKETT 《ALCHEMIST》 89年英国
Vespers (Introit & Hymn) (Monteverdi)Bacchanalia (Du Prez)The King Is DeadRenaissance Rip (Ortiz)Balkan Trilogy (Mainerio)Harmony Of The Spheres (Daman)Dodo Brasserie Sextet (Mainerio)Pandora’s Music Box (Le Jeune)Orfeo (Monteverdi)Ruff Music (Mainerio)Celtic Dawn (Du Prez)Adoremus Dominum (Du Prez)Philip Pickettrecorder, crumhorn, curtal, rackett, shawm, cornamusen, pan pipes, organ, gittern, symphony, chalumeauCatherine Bott, Tessa BonnersopranoChristopher RobsonaltoNick Curtis, Andrew MurgatroydtenorStephen CharlesworthbaritoneDavid Staff, Michael Harrisoncornett, natural trumpetJeremy WestcornetSue Addison, Paul Nieman, Kenneth Hamilton, Stephen SaunderssackbutMiles Golding, Andrew Manze, Jonathan Kahanbaroque violinSimon Whistlerbaroque violaAnthony Pleethbaroque celloPeter McCarthydouble-bPenny PaycurtalJohn Du PrezorganStephen Hendersonper, xylophone, bell, timpaniDavid Roblouorgan, harpsichordPavlo Beznosiukmedieval fiddle, baroque violin/violaTom Finucanelute, gittern これは…どこをどうつついてもクラシック音楽ですね。 まずは曲の作者を見てごらんなさい。いきなりモンテヴェルディですよ! モンテヴェルディの代表曲を挙げよと言われても答えられない状態のまま筆を進めますが、主に16世紀頃の楽曲を演奏しています。 一番古いのは3の作者不明の曲で、1250年に書かれたものみたい。 2や11や12にクレジットされているのはピケット先生と一緒に共同プロデュースをしている人物で、やはりクラシック界の人みたいです。 ピケット先生の作品を出すのはこれが2回目だけど、フォークだとかそんな甘いこと言ってられない。 もうね、シンガーじゃなくて声楽家なの。“vo”じゃなくて“soprano”“alto”“tenor”“baritone”になってんの、ごく自然に。 んで楽器もすごいことになってる。 サックバット専任者が4人もいるわ、弓弾き弦楽器は“baroqueホニャララ”になってるわ…。 古楽器をふんだんに取り入れたオーケストラもの? とりあえず、同じ古楽でもフェアポート・コンヴェンションの面々を従えてエレクトリックに処理した「ザ・ボーンズ・オブ・オール・メン」(97号でレビュー済)とは全然別物だね。 しかしさすがはピケット先生です。だてにコンソート組織してません。だてに指揮棒振ってません。 「今回はクラシックに挑戦してみました。どうかな!」 というようななんちゃって感がまったくないのですね。 ここまでまとめ上げるのはにわか仕込みじゃ絶対に無理。それ相応の鍛錬を積んでからじゃないとできない仕事だと思います。 通常の楽器編成でのクラシック作品にはそれほどときめかないのに、これみたく古楽器てんこ盛りだと途端に目の色が変わってしまう私。 なんだかリコーダーやクラムホルンが入ってれば普段は絶対に聴かないようなタイプの音楽にも手を出してしまいそうで怖い。人気blogランキングへ