カテゴリ:アート
やっと、念願の対決展に出かけることができた。都合 で、平成館入館が3時近くになってしまったのだが、 やはり、先行の方々のおっしゃるとおり、2時間では 充分眺めることができない。「大雅vs蕪村」あたりか ら、駆け足になってしまった。 ここでそれぞれの2者対決をどちらが勝ったと単純に 興じるのも楽しいのだが、それ以上に選りすぐられた 名品の数々には、圧倒されっぱなしであった。 特にこの展覧会のいちばん期待していた作品は、蕭白 の「群仙図屏風」である。過去、何回も見る機会を逸 して、やっと今回初対面となった。右隻の赤と青の衣 をまとう濃密な二人の仙人の姿は、強烈である。特に 濃彩の朱は、まるで血が飛び散ったようだ。眺めてい るだけで、ヒクヒクしてしまう。左隻の女性像ははっ きりいって、狂人だ。視点が定まってなくアブナイ。 「常軌を逸した妖しい画面が展開する」というキャプ ションの通りである。 この「群仙図屏風」に十分、痙攣して大満足した。対 する若冲も今回ばかりは、蕭白の危なさには勝てなか ったと思う。 いちばんゴージャスだったのは、永徳の「檜図屏風」 と等伯の「松林図屏風」が並んでいたコーナー。この 2枚の国宝は、それぞれ甲乙つけがたい。絢爛豪華な 永徳と、心象風景にこだわった等伯。ふたりの目指す 方向性の違いがよく分かった。 応挙と蘆雪は、奈良県立美術館まで2回も見に行った ので、さほど対決意識はない。今回、無量寺の虎とま た出会うことができて嬉しい。あのでかい頭は、何度 見ても可愛くてたまらない。 雪舟の「慧可断臂図」は、恐い絵だ。自らの左手を切 り取ってまで~と思うのだが、それをさりげなく描い ている雪舟もスゴイ。 長次郎の「大黒」は残念ながら、すでに展示が終わっ ていた。「俊寛」のさりげない窪みが印象に残る。 宗達の「蔦の細道図屏風」。なるほど、左隻と右隻を入 れ替えてもピタリと当てはまる。江戸の初期にこのア バンギャルド。琳派っていいなぁ。 あっという間に閉館時間だ。常設展に行くヒマもなか ったが、駆け足で真如苑の大日如来像をさっと眺めて、 東博を後にした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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私も昨日やっと行ってきました。
興奮しました。 頭の中がかきまわされました。 あれだけバラエティに富んだものを一気に見ると、自分の好みがわかって面白いです。 (2008年07月17日 23時12分24秒)
14日の月曜日に行ってきました。
たっぷり3時間かけ、2回見てきました。 ただ展示方法と言うか、ライティングにもう少し工夫があってもいいのではと。 特に、松林図屏風、あんなに煌々とライトを当てたら、幽玄の世界を醸し出せないでしょうね。 それと対比する永徳も、割りを食っている感じですね。 でも、全体として企画としては行けています。 あと2~3回行く予定です。 もしかしたら会場でお会いするかもしれませんね (^v^) (2008年07月18日 00時10分56秒)
おはようございます。
どうして日本美術にこれだけ多くの人が惹かれるのかと、聞かれました。単純なことです。観ていてわくわくするからです。 鑑賞後新たな自信を胸に抱き、颯爽と博物館を後にできました。後ろ髪はメチャメチャ引かれましたけどね。 (2008年07月18日 07時53分48秒)
彼の画風を愛し、高価な艶やかな絵具を用いて描かれた作品が現代に輝きをもって存在する。面白いです。
(2008年07月18日 13時26分35秒)
蕭白という人も、知れば知るほど
興味が沸いてきます。 (2008年07月18日 22時27分53秒)
こんばんは。
とくに前半の展示に見応えがあったので、後半にはもうエネルギー切れになってしまいました。が、蕭白のインパクトに目が覚めました。 日にちを空けてまた新鮮な気持ちで対決を眺めることにしようと思っています。 (2008年07月20日 01時12分43秒)
うわ~~!わくわくしますね!
想像力を掻き立てられるようなレポートをありがとうございます! 最近なかなか美術展を見に行けない私も、 2ヶ月前にこのポスターを駅で見かけて以来、 これは何が何でも行かなくては!!と思ってるのですが、 まだスケジュールが立っていません(泣) ちなみに今日(19日)は広春先生の個展を見に行ってきました♪ (2008年07月20日 03時44分04秒)
“かような者の絵を傍に並べるか!!”と怒っているか?単に苦笑しているか
永徳vs等伯は興味深い物でしたが、私的には双方別々の魅力と感じました。 茶碗は私も《俊寛》が一番良かったです。利休の侘び茶を映し出した逸品だと思います。 日本美術を堪能出来る素晴らしい展示でしたね (2008年07月20日 08時40分40秒)
「どちらが好きか?」については、それぞれの好みが出てきて、面白いですね。
すでに2回見ましたが、もう1回、後期に見て、最終的な意見を決めたいと思っています。 (2008年07月20日 13時12分16秒)
私も次回は、逆から回ります~
(2008年07月20日 22時04分54秒)
常設展には、長次郎の尼寺があったし、
ノンコウの黒楽も見応えがありました。 等伯と永徳しかり、特に対決させなくても いいものはいいのですね。 (2008年07月20日 22時08分48秒)
私も次回は対決姿勢を強めたレポートを
書こうかなと思っています。 (2008年07月20日 22時15分16秒)
こんにちは。
TBを有り難う御座いました。 見応えのある展覧会で、興奮しながら鑑賞していましたが、やはり「群仙図屏風」に一番圧倒されました。 (2008年07月22日 18時51分27秒)
「群仙図屏風」、今まですれ違いで見逃して
いたので、ようやく出会えました。想像以上に圧巻でした。 (2008年07月23日 06時27分43秒)
今回の内容だと若冲よりも蕭白ですね。
一村雨さんには是非、九州国立博物館にある蕭白の「群童遊戯図屏風」を見ていただきたいですね。 銀箔バックで近年まで秘蔵となってた幻の作品です。こちらも極彩色と水墨が同じ画面に同居しています。これでもう少し状態がよければいいのですが。 (2008年07月27日 10時44分30秒)
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