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1992年生まれの「ゲイ男性」による、2020年から2022年までの3年間の日記。
『1日が長いと感じられる日が、時々でもあるといい』 小沼理 タバブックス 2022年
書店でたまたま見つけた本。 読んでいると、この言葉は後でノートにメモしておきたいなとか、著者が読んでいたこの本が気になる、という箇所がいくつもあって付箋をたくさんつけてしまいました。
一日当たりの日記の文章量が、意外と多かったです。 著者は真面目で、日頃から物事を深く考えていらっしゃるのだろうと思います。
私自身は日記を書くのは面倒だなと思ってしまいますし、読んだ本について書いているこのブログ以外で、自分の考えを書く機会はありません。
でも情報が次から次へと流れてくる今の世の中、著者のように日記を書くことで、普段自分が考えていることについてじっくりまとめる時間を取るのは大切だなと感じました。
それから、私は性的マイノリティへの知識が不足していて、この本で初めて知る言葉がありました。 勉強しなければ……と思います。
「閉じた日記から、少し開かれた日記へ。その変化を起こしたのは、政治的に納得できないことや不正と思えるできごとを後世に伝えておきたかったからだし、いまだ異性愛が中心の社会で、ゲイ男性の生活を、日々を記録する日記という形式で発信することに意味があるんじゃないかと思ったからでもあった。そうすることで、自分をいないことにする力に抗いたかったのだと思う。」(p.6)
「自分だけが生きやすくなっても、他の人が取り残されていたら意味がない。」(p.268)
「私と似た人、私以上に存在がないことにされている人、隅に追いやられる人を支える人の力になればいいと願う。」(p.268) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.09.13 11:07:10
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