アーシング(アースラインの増設)で点火プラグの無いディーゼルエンジンでも燃費が良くなるか?
ディーゼルエンジンのデミオで、アースラインを増やすことで燃費が良くなったと言うみんカラのBlog記事を読んだので、そのことに対して私考えを書いてみます。 アースケーブルの増設が何かしか燃費に効果があるという事は、ガソリンエンジンの場合は点火プラグがあるので、スパークが弱まる原因であるボディーやエンジンのブロックやヘッドまでの抵抗が減ることで多少は、あり得る事かと思えるのですが、スパークプラグを持たないディーゼルエンジンでも燃費が良くなるとしたら、いったい何が原因で、燃費が向上するのだと思いますか? 燃費は燃料が少なくても必要とするパワーが出ることによる他はあり得ないと思いますが、どうでしょう? 僅かでも少ない噴射量で目的地まで着くには、普通は少しだけ加速速度を減らし、アクセルをほんの少しだけ少なく踏むことで達成できますが、アースラインを追加増設することで、噴射量が減るでしょうか、減る為には、コモンレール内の噴射圧力の減少か、噴射時間の短縮が必要になりますが、コモンレール内圧を下げるような効果はアースラインの増設では発生しないと考えられるのですがいかがでしょうか? そこまで考えると、可能性として残るのはインジェクターの開放時間が短くなるか?という事だけですが、デミオのディーゼルエンジンのインジェクターは直流ソレノイドによって駆動されているので、アースラインが増設されると、抵抗値が下がり、結果として電流値が上がります。 I=E/Rと言う基本的な電気の関係で電流が強くなるわけです・・・・。 ソレノイドバルブと言うのは電磁石バルブと言う意味ですから、電流値と比例関係にある電磁力は、アースラインの増設によってわずかながら電流が多く電磁コイルに流れることはあり得ますから、デミオのソレノイドインジェクターはほんの少しではあるでしょうが素早く開き、素早く閉じる動きになった可能性があります。 素速く動けば、それまでよりは早めにバルブが開きますから噴射は早めに起きます。その場合多く噴射しそうなものですが、今度は閉まる時も速く動いて早く閉まる為、そこでは、少ない噴射になろうとしますから、±0になると考えるのが妥当なのですが、本当にそれだけでしょうか? 極端に考えれば、高圧の燃料はノズルをダラ~っと開けるより、スパッと開けた方が良い霧化が可能になる為、もしかしたらそういう理由でより細かい燃料の霧が出来たと考えられないでしょうか?良い霧に出来れば燃焼が良くなって同じ燃料でもトルクも多く出ますね・・・・。 それと、電流値が少しだけ上がったとすれば、今までよりも精度よくインジェクターの開閉が起きることが予想され、開いたバルブを閉じるときの動作が素早く正確で狂いにくくなった可能性も少しだけありますね? もし閉じるときの動作が素早くなるとすれば±0ではなくなります。 電磁コイルに通電する時間は同じだとしても、電流が多く流れれば、ゼロからバルブが開くまでの時間はさほど変わらないはずですが、僅かでもバルブが開き始めれば燃料は噴射されてしまいますから、電磁力が多くなっても噴射開始の時間はあまり変わらないでしょう。 開いている位置から閉じる動作が完了するまでの時間は電流が多い方がより速く閉じることが出来るわけですが、開けるときと違うのは、開き方が速くても遅くても開き始めの時間はそう違わないことと、開く前はいずれにせよ閉じていたので、燃料は動いていなかったわけですから僅かな時間差ではほとんど噴射量には変化が起きないと考えられます。しかし、閉じるときはそれまでバルブは開いているわけで、素早く閉じられなければ、噴射開始後加速度的に速くなる燃料の流れは、僅かでも閉まるタイミングが遅くなることで、時間と正比例しない流量は電流がやや少ない場合は電流が多い場合に比べかなり多く流れてしまうことになるはずです。つまり、バルブが開くときは、動いていない燃料が動き始めるので燃料の速度は低く、僅かな時間差ではその噴射量に差が出にくいはずですが、開いているバルブが閉じる場合は燃料の速度が高いため、僅かな時間差でも噴射量に大きな変化が出て来ると考えられるのです。 結論として、素早く閉じる可能性の高い、やや高い電流でインジェクターソレノイドが動けば一回の噴射で節約される燃料は僅かだとしても、確実に減る方向に働くと考えて間違いないだろうという事です。 一回の爆発で8回の噴射があるとすれば、エンジン1回転で2気筒で噴射が有る為、計16回となり、毎分1200回転でゆっくりと走る時でも、1分間でその1200倍の噴射が起きるため19200回の噴射で少なく噴射が行われるはずです。それを1時間続ければその60倍115万2千回で少なく燃料を噴射しますね。 一回の噴射で少なくなる燃料は僅かでも長い時間では結構な差になって表れることが予想できます。 やはりアースラインを増設することで抵抗値が下がるなら、その影響でソレノイドインジェクターへの電流が上がる為、燃料の切れが良くなることが予想され、その結果流速の速い燃料を素早く止めることが出来るので噴射量が減るという事にはなるでしょう。 いずれにせよ私の想像なので、正しいかどうかは判りませんが、ソレノイドインジェクターを駆動する電流値が数%上がったとすれば、その変化は無視できないほどになる可能性はありますから、僅かでも燃費は向上するかもしれませんね・・・・。 それ以外の理由は今のところ見つけられない私です・・・。