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2007年12月08日
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カテゴリ:江戸時代

「時は、元禄15年12月14日」

赤穂浪士の吉良邸討ち入り。
12月のこの時期、季節の風物誌でもあります。

小説やドラマなどで、数多く取り上げられている、この赤穂事件ですが、
実のところ、後世に作られた脚色や義人譚も多く、
意外と、真相がはっきりとわからない部分が多い事件でもあります。

その事件の発端となったのは、松之廊下の刃傷事件。
勅使饗応役をつとめる浅野内匠頭が、指南役の吉良上野介を殿中で斬りつけました。
しかし、この事件も、吉良上野介と浅野内匠頭の間に何があったのか、
今でもはっきりわかっていません。

将軍綱吉は、この刃傷事件に激怒し、審議もほとんどしないまま、直裁で処分を決定しました。
浅野内匠頭は切腹の上、お家取り潰し。
一方、吉良は、その振る舞い神妙であるとしてお咎めなしとする裁定です。
しかし、この裁定が禍根を残し、吉良邸討ち入りへと発展していきます。

当時、武士の間の争いについては、喧嘩両成敗という考え方が原則でした。
争いに至るまでの事情を勘案し、因果関係も含め、両者に罪を認めるというもの。
現代の刑事事件の考え方とは異なります。

浅野だけに、処分が加えられたということで、浅野の家臣たちは、
この裁定に納得しませんでした。
又、幕府内部も含めた、世間一般も、この一方的な裁定には、疑問を持ちました。
そうした背景の中で、赤穂浪士の事件は進展していきます。

赤穂藩側の中心人物は、筆頭家老の大石内蔵助。
藩取り潰し後の事後処理を進め、
紛糾する家中をまとめて、赤穂城を開城します。

その後、内蔵助は、つてを通じて、
御家の再興と吉良上野介の処分を、幕府に求める活動を続けますが、
その願いは聞き届けられることはありませんでした。
ついに、内蔵助は、吉良を討ち取って主君の仇を討つことに方針を定めます。

元禄15年(1702年)12月14日。
大石内蔵助を始めとする赤穂浪士、四十七士は吉良邸へ討ち入り、
念願の吉良上野介の首を挙げました。

この吉良邸討ち入り事件は、江戸の町を興奮させ、
江戸の庶民は、赤穂浪士に対し喝采を送りました。

一方、幕府の中でも、お抱えの儒学者たちの間で、
赤穂浪士の行為を善とみなすか、悪とみなすかについて、
論争が繰り広げられます。
結局、赤穂浪士に対する処分は切腹。
道義的には称えられるが、法においては罪であるとする意見が採用されました。

この事件が、単なる仇討ち事件ではないところは、
松の廊下の刃傷事件に対する、幕府の処分が片手落ち、不公平であった事に、
大石内蔵助ら浪士が異を唱え、社会問題化させたところにあったと思います。
庶民も幕府の処分に対して憤激していて、赤穂浪士を応援しました。
この時代においては、珍しいくらい世論が盛り上がった出来事だったのでしょう。

さらに、その後も、この事件は民衆の間で語り継がれていきました。

事件から47年後の、寛延元年(1748年)。
歌舞伎、人形浄瑠璃の演目として「仮名手本忠臣蔵」が発表され、
この作品が、大ヒット。
忠臣蔵物語の代表作となっていきます。
「忠臣蔵」と呼ばれるようになったのも、この作品からでした。

その後、芝居や映画でも、不入りの時には「忠臣蔵」を出せば当たると云われるほどの、
人気の出し物となっていきます。
そうした中で、様々な脚色・義談が挿入されて、
現在のような、忠臣蔵物語が出来上がっていきました。

講談、小説、映画、テレビ等々、その生み出された、関連作品の多さは、
いかに、日本人に愛され続けてきたかを示しています。

いじめをこらえながらも、刃傷に及んだ浅野内匠頭。
その復讐を誓い、しかし、その素志を隠しながらも準備を進める浪士たち。
それを、陰から支える人たち。同志から脱落していく人たち。
そして、吉良を討ち取って、本懐を遂げ、
最後は潔く、切腹して果てていく。

「忠臣蔵」の中には、日本人の大好きな物語が、いくつも詰め込まれています。
まさに、日本的な精神構造の中から生み出された、物語り群であるともいえます。

近年「忠臣蔵」は、以前ほど、もてはやされることが、
なくなってきているようにも思いますが、
現代の日本人が忘れかけているものが、ここにはあるのかも知れません。





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最終更新日  2007年12月08日 20時25分12秒
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たしかに   nhatnhan625 さん
日本人のもとめるものがつまっていますね。

>道義的には称えられるが、法においては罪であるとする意見が採用

これにたいする疑問がわかないのも、日本人のいいところ。チウゴクなら、無罪になりかねない。

あそこで腹をきったからこそ美談になる、日本人にはわかる話です。

(2007年12月08日 22時59分43秒)

どうして、こんなにと   gundayuu さん
思うくらい忠臣蔵は人気がありますね。
特に、私より上の世代の人には。
確かに面白いのは、わかるんですけど。

赤穂浪士は切腹と主張したのは、儒学者の荻生徂徠でしたが、道義的に素晴らしいと思ったからこそ、斬刑でなく、切腹させようとしたんですね。

切腹したからこそ、美談になる。
確かに、日本人らしい感性ですよね。

(2007年12月08日 23時37分19秒)

Re:物語としての忠臣蔵(12/08)   G3(じーさん) さん
忠臣蔵を思うとき、何故か会津の白虎隊を思い出します。大石主税を、若くして自らの信念に散った彼らに思い重ねるからでしょうか。 (2007年12月09日 10時00分19秒)

Re[1]:物語としての忠臣蔵(12/08)   gundayuu さん
G3(じーさん)さん

忠臣蔵も白虎隊も、滅びゆく美学みたいな部分で共通点がありますね。

でも、大石主税は、死にゆく時に達成感があったのだろうと思いますが、
白虎隊の場合は、どうしても悲壮さが先にきます。
(2007年12月09日 14時10分23秒)

Re[2]:物語としての忠臣蔵(12/08)   G3(じーさん) さん
>でも、大石主税は、死にゆく時に達成感があったのだろうと思いますが、
>白虎隊の場合は、どうしても悲壮さが先にきます。
なるほど。確かにそうですね。飯盛山から鶴が城が落ちる様を見ながら自刃した彼らの胸中たるや、いかばかりであったでしょうね。すみません、忠臣蔵から話がそれてしまいました。 (2007年12月09日 15時32分23秒)

Re[3]:物語としての忠臣蔵(12/08)   gundayuu さん
G3(じーさん)さん

>飯盛山から鶴が城が落ちる様を見ながら自刃した彼らの胸中たるや、いかばかりであったでしょうね。
城が落ちる様ならまだしも、城が落ちたと思い込んだのなら、一層悲しいですね。

>すみません、忠臣蔵から話がそれてしまいました。
いえいえ、とんでもないです。
みなさん、ここへ来て、思い切り脱線して行かれますから(笑)。

(2007年12月09日 15時45分05秒)

赤穂   ゆうあいママtosa さん
今年は、一豊公&千代様サミットは郡上でした。
関連した市町で順番に開催です。
赤穂も一豊が秀吉の元にいた場所です。
このサミットに3年前から加わっています。 (2007年12月10日 23時47分06秒)

Re:赤穂(12/08)   gundayuu さん
ゆうあいママtosaさん
>今年は、一豊公&千代様サミットは郡上でした。
>関連した市町で順番に開催です。
そういう、催しがあるんですか。
一豊・千代もすごいですね。

>このサミットに3年前から加わっています。
色々な会に参加されていて、相変らずお忙しそうですね。体に気をつけて頑張って下さい。

(2007年12月11日 09時12分20秒)

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