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カテゴリ:読書
肩をすくめるアトラス全3巻読了。
やぁ難しい内容でした。作者 アインランドは1926年に成立間もないソ連からアメリカに移住。移住というより亡命に近いのかな。いずれにせよ1957年に本書を刊行。 アメリカが統制経済・社会主義に支配され、国自体がボロボロに崩壊していく。資本家は自由経済・資本主義を貫こうと、絶対に人に知られぬ秘密の場所、捜索不可能な地に集まり、共鳴する真に能力のある人間がそこで共同体をなし、理想郷を創り上げる。指導者は社会に対するストライキだと語る。 一方、統制経済化に置かれた庶民・国民は真の指導者を失い、誰も自分の仕事に責任を持とうとせず、政府は統制一本やりで、農業作物から工業製品までのほとんどの物資の生産は止まり、流通手段である鉄道も指導者を失い、技術者も姿をくらまし、責任を取るべき人材がみな職務放棄して、統制経済をすすめる政府は手の打ちようがなく、国が内側から崩壊していく。 けしてハッピーエンドではなく。これからアメリカはどうなるのと思わせ終わる。 アインランドがロシアで生まれソ連になった直後に渡米しているという事は、ソ連の共産主義・社会主義の行く末をアメリカという国に仮託して書き上げたのではないかと考える。実際のアメリカの50年代の史実に適合しないし、資本主義・個人主義がここでは擁護されている。 いずれにせよ長い・大作。各巻500ページ以上、3巻は760ページもあるし。読み終えてやや疲れを感じています。3巻の主人公のラジオ演説が507ページから598ページまであり、ここがこの本で語りたい作者の肝なのだろうが、難解でした。 上手に解説出来ませんが、我が読書歴の中のフィクション部門の第一位と言っていいかと思っています。 肩をすくめるアトラス[本/雑誌] 第2部 二者択一 (文庫 /原タイトル:Atlas Shrugged) / アイン・ランド/著 脇坂あゆみ/訳 肩をすくめるアトラス[本/雑誌] 第3部 AはAである (文庫 /原タイトル:Atlas Shrugged) / アイン・ランド/著 脇坂あゆみ/訳 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2020年09月03日 20時54分11秒
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