カテゴリ:韓ドラ・韓国映画
監督:イム・グォンテク 出演:キム・ジミ、シン・ソンイル、ハン・ジイル 1985年 韓国 朝鮮戦争から30余年、離散家族の肉親探しの番組がKBSで放送され、 それを見て涙する子どもたちの場面から始まります。 ドキュメンタリーの香りのする、静かで、強い作品でした。 さすが、民族のハンを描くイム・グォンテク監督という感じでした。 南北分断はとても悲しい出来事で、それに絡んだ映画もたくさんみて、 なんとなくわかったような気になっていたものの、ほんの表層を垣間見ただけのことなんだろうなと思います。 たぶん、冒頭の子どもたちと、私は同じレベル。 当事者にとっての重い現実は、はかりしれません。 主人公は、日本から引き上げ、今は北になっているキルソドムで育ちました。10代で息子を産み、朝鮮戦争で恋人と、その息子と引き裂かれた過去があります。 今は上流家庭の主婦となっていますが、 夫から息子探しをするよう勧められ、 再会したかつての恋人と一緒に、息子に会いに行くのです。 探し当てた息子は、とても荒んだ生活をしています。 離れ離れの30年を過ごし、それぞれの生活を営んでいる父・母・子を丁寧に描いています。 また、途中で挿入される肉親探しの番組で、当時の状況の説明が詳しくなされています。 印象深い台詞も多かったです。 「ドイツは戦争の報いで分断の憂き目にあった。韓国(朝鮮)は、なんの報いでこのような目にあったのか・・・。」 「僕らは大国の代理戦争を演じたピエロだった。」 悲劇的な話ながら、最後に光明を感じるものがあると この監督の作品を見るといつも感じます。 今回、その光明を感じたのは、主人公の夫の台詞です。 「民族の悲劇的な運命を愛することで、その運命を克服したい。」 これは、主人公へのプロポーズの時の言葉です。 静かながら、すべてを乗り越えて、前に進もうとする力強さを感じました。 興味のない人にはつまらない作品なのかもしれません。 自分の中でも、まだ、感想と言う形で語れるほど、こなれてはいないのですが やっぱり、イム・グォンテク監督作品は好きだなあと、感じた作品でした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[韓ドラ・韓国映画] カテゴリの最新記事
|
|