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カテゴリ:読書
本の整理をしていたら出てきたので久々に再読。ジェームズ・ボンドシリーズ第四作。1956年、今から半世紀前の作品となる。映画版は何かと派手な印象だったが、原作はアメリカのギャング組織スパングルド一味によるダイヤ密輸ルートへの潜入捜査。ボンドはアフリカからロンドンを経由してアメリカへと流れ込むルートに運び屋に偽装して潜入する。
組織の報酬の受け渡しはサラトガ競馬での馬の入れ替えやラスウ゛ェガスでのブラックジャックでといかさまギャンブルを利用して行なわれるなどギャングのその他のビジネスも描かれる。 お馴染みキャラではフェリックス・レイターがピンカートン探偵社の一員として登場し、ボンドをサポートする。 ヒロインは運び屋の監視役からカジノのディーラーまでつとめるティファニー・ケイス。姐御ぶった口調や「いっときますけど、私、あんたといっしょに寝る気はないのよ」と言いながら「そうね、それからもう一回ぐらいは会ってもいいわ」と言い出すなど半世紀前ながらツンデレである。 ウ゛ェガスで勢力を誇るギャングの親玉の趣味が西部の街の再現で蒸気機関車まで走らせたりというあたりはフレミングならではのケレン味で機関車との追跡劇まで劇中にある。さらにクイーン・エリザベス号航行中の殺し屋襲撃など。 難点は部下に指示をくだすにも電話と録音装置を用いて正体を明かさないABCを名乗る組織のトップの正体に意外性がないことか。井上一夫訳、創元推理文庫。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年11月14日 18時23分01秒
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