「原子力の日」というのが定められている。1956年10月26日、茨城県東海村の日本原子力研究所の動力試験炉が日本で初めて原子力発電に成功した。その記念日なのだ。原発を推進する政府お勧めの記念日だが、皮肉なことに、いまや全国津々浦々で開かれる原発再稼働反対の統一行動日に変容してしまっている。
日曜デモだが参加者は多くない。反原発の様々なイベントがあって、みんなの体が足りないのだ。
Photo A1 良覚院丁公園の集会。(2014/10/26 15:38)
Photo A2(上) 良覚院丁公園(入口から)。(2014/10/26 15:02)
Photo A3(下左) 良覚院丁公園(奥から)。(2014/10/26 15:05)
Photo A4(下右) 公園隣の馬上蠣崎神社。(2014/10/26 15:02)
今日は大学女子駅伝が仙台市内を駆け抜ける日でもあって、集会場は初めての良覚院丁公園となり、時間も駅伝を避けて一時間遅れで始まった。
良覚院丁公園は、かつてこの地にあった良覚院という寺院の庭園跡で、良覚院という名はこの公園に残っているだけである。
公園に接して、馬上蠣崎(うばがみかきざき)神社がある。老いたために大阪出陣が叶わなかったことを悲しみ仙台城の蠣崎の崖から身を投げたという伊達政宗の愛馬「五島」を祀った社である。明治期に良覚院に移され、市民は「五島墓(ごとはか)」さんと呼んで親しんでいたと由緒書きにあった。
Photo B 仙台高等裁判所前交差点。(2014/10/26 15:42)
良覚院丁公園の前は、仙台市青葉消防署片平出張所、その隣は仙台高等裁判所である。デモは、公園を出て「高裁前」交差点を越えて五橋通りを東に進む。午後3時半を過ぎた街に射す陽光は、もう夕方の色彩をビルの壁面から反射させている。
Photo C1(左) 五橋通りを行く(1)。(2014/10/26 15:43)
Photo C2(右) 五橋通りを行く(2)。(2014/10/26 15:43)
Photo C3(左) まもなく南町通りへ左折。(2014/10/26 15:44)
Photo D(右) 南町通り。(2014/10/26 15:47)
高裁前の交差点を過ぎたところに歩道橋がある。仙台の脱原発デモでは、歩道橋のあるコースは珍しい。広瀬通りから愛宕上杉通りを回って錦丁公園に戻るデモコースで、「中央二丁目」交差点の歩道橋の下を歩いたことが1度だけある。
歩道橋の上からデモの写真を撮ってみたくて、階段を駆け上がったら先客がいた。ずっとここで待機していて、ここで写真を撮ってからデモに合流するという。
Photo E1(上) 南町通りから一番町へ。(2014/10/26 15:50)
Photo E2(下) 青葉通りへ向かう。(2014/10/26 15:50)
五橋通りに斜めに交差する南町通りから一番町に入る。ここからは東北大学片平キャンパス北門を出発するデモと同じコースを辿ることになる。
Photo F 青葉通りを渡る。(2014/10/26 15:54)
Photo G いつもの道、一番町。(2014/10/26 15:57)
Photo H 広瀬通りを西へ。(2014/10/26 16:01)
一番町のアーケードを出て青葉通りを渡り、また一番町のアーケードに入り、広瀬通りでアーケードを出る。アーケードの人工色の光りから出るたびに、秋の夕焼け色がことさら印象的に映る。
Photo I(左) 広瀬通りから見る西の空。(2014/10/26 16:08)
Photo J(右) 晩翠通りから見る南の空。(2014/10/26 16:11)
Photo K1(左) 晩翠通りから青葉通りへ。(2014/10/26 16:16)
Photo K2(右) 青葉通りを駅方向へ。(2014/10/26 16:16)
天蓋のような欅並木のために、いつもは木下闇(こしたやみ)と呼びたくなるような青葉通りに入っても、低い陽光がみんなの背中に明るく映えている。
この欅並木も、地下鉄東西線の工事のために一番町の付近では切り倒されている。長い地下鉄工事にうんざりしているが、これもまもなく終るだろう。欅並木が復活するのが待ち遠しい。
Photo L 最後尾で。(2014/10/26 16:20)
Photo M(上) まもなく一番町。(2014/10/26 16:22)
Photo N(中) 藤崎前を過ぎて。(2014/10/26 16:25)
Photo O(下) 紅葉した欅のあたりが終点。(2014/10/26 16:30)
青葉通りに入れば、あとは秋の陽を背中に受けてまっすぐ東への道である。欅の紅葉はまだまだだと思っていたが、中には真っ赤に色づいている木もある。欅には紅葉するものと黄葉するものがあるが、後者が一般的だと思うがどうだろう。仙台城址付近に黄葉木と紅葉木がともに鮮明な色を見せて並んでいるところがある。散歩のたびに不思議だなぁとは思うもののそれっきりである。
今日のデモは40人ほどだった。最近ではもっとも少ない人数だろう。脱原発、反原発のイベントばかりではなく、イベント日和の季節なのでみんな忙しいのだ。
今日の集会では「鹿児島県・薩摩川内原発の再稼働に私たちは強く反対します!」というアピール文が読み上げられた。毎週のデモだが、再稼働に反対する全国統一行動に心を合わせる意思表示だ。
原子力規制委員会も自民党政府も鹿児島県知事も川内市長も責任を押し付け合いながら、川内原発の再稼働を画策している。
規制委員会は「基準をクリアしても安全とは言えない」と言い、政府は「規制委員会の審査を経ているから安全だ」と言い、知事と市長は「国が安全だと言っている」という。つまり、川内原発が安全だとは誰も言っていないのである。
それなのに、再稼働に動き出すこの支離滅裂さは、「反知性」(自民党は「知性」が嫌い)、「非知性」(自民党に「知性」は期待できない)の政治を選挙で許してしまった日本の悲劇的政治状況そのものだ。
デモコースと撮影ポイント(地図のベースは、「プロアトラスSV7」)。