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テーマ:街歩き(613)
カテゴリ:街歩き
8:05発の新幹線で仙台を出発したとき、雪がちらつき始めていた。白石市を過ぎるころにはうっすらと積もり始めていて、雪掻きのことが気にかかる。20cmくらいの積雪でおさまってくれれば助かるのだが……。 せっかくの東京というので、世田谷美術館分館宮本三郎記念美術館の『画家と写真家のみた戦争』という美術展を見にいくのも目的の中に入れていた。美術評論家の椹木野衣さんが『戦争画とニッポン』 [1] という本の中で戦争画について言われていたことが気になっていたのだ。 安倍自公政権が成立してから、国会における絶対的多数を背景に秘密保護法、集団的自衛権を容認する安保法制など解釈改憲に踏み切ったばかりか、あからさまに憲法改悪を広言している。政権そのものが極右化していることをいいことにネット上での「国粋主義的」言説や、街中でのヘイトスピーチなどの「国粋主義的」行動があからさまになってきた。
10時過ぎから小雨が降り続いている。冷え込んできた夕方になって時々強い風が吹いて冷え込みを加速させている。暮れかかるころ、日比谷公園に向かった。
車道寄りに並んだ抗議の人たちは次々と抗議のスピーチやコールを挙げている。富国生命ビルの玄関は5mほどの階段を上ったところにあって、最上段には制服姿の二人が抗議する人たちを見下ろしている。
「福一事故」のあとでは原発を再稼働することそのものが理不尽であること、再稼働の容認が免震棟建設やケーブル不正敷設を容認することで強行される不正そのものであること、高浜原発ではMOX燃料を使用するなど危険に危険を重ねる愚行であることなどを、抗議の声は訴え続ける。
高浜原発は、今は再稼働以前の再起動状態に入って明日の朝には臨界に達するとみられる。それでも、私たちは福井から遠いこの地で反対・抗議を続けるしかない。一人が「私たちはけっしてやめない。反対の声を上げ続ける」と絶叫する。そうだ。それしかない。 まだ抗議行動は続いていたが、18時20分ごろに首相官邸前に向かった。
富国生命ビルから首相官邸前まで1kmほどある。出来るだけ体を動かそうで大股かつ急ぎ足で歩いた。そのせいで冷え込んだ体に幾分か体温が戻ってきた。官邸前の抗議の列の先頭にたどり着いた時にはほとんど寒さを感じなくなっていた。
雨と寒さで以前に来た時ほどの人出ではないが、抗議の列の前の方ではいつものような大きな声が上がっていた。そういえばフェイスブックで「雨が降ったから人が減ったなんて言われるのが悔しいからぜったい官邸前に行く」という投稿を見かけた。しかし、主催者の悪天候への配慮もあって、今日の抗議行動は官邸前だけで、国会正門前は中止になっていた。
官邸前で上がっていたコールも、今日は高浜原発再稼働への抗議の声がほとんどである。一通り写真を撮り終えた私もコールの列に加わる。 「高浜原発、ただちにやめろ」、「やめられないなら首相が辞めろ」などと声を上げているうちに19時30分になった。抗議は20時まで続くけれども、仙台の雪掻き人は早めに引き上げたのである。
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