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山行・水行・書筺 (小野寺秀也)

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小野寺秀也

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2016.06.26
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テーマ:街歩き(613)
カテゴリ:街歩き

 86、7歳になったはずのハーバーマスは、イギリス国民がEU離脱を選んだことを聞いてどう思ったのだろう。イギリスの国民選挙のニュースを聞いて最初に思ったことは、そんなことだった。ニュースは離脱がもたらす経済的影響ばかりを伝える内容が延々と続いたが、私の関心はそんなところにはなかったのだった。
 国民国家の完成をもって歴史の終焉を語ろうとするヘーゲル-コジェーヴ的な思惑を大きく越えて世界大戦が2度も起きたヨーロッパで、国民国家の枠組みを超えたヨーロッパ連合の構想は、大哲ユルゲン・ハーバーマスの悲願のように見えた。そのハーバーマスは、ネオリベラルの支配する未来のヨーロッパ連合を心配していた
[1] が、今日の結果はその心配が実際に起きてしまったことによるのではないか。
 恒久的な平和と経済的繁栄を求めようとするヨーロッパ連合は、過去から未来にかけての政治的構造を議論し、認識しうる政治的エリートたちによって牽引されてきた。理念というものは、いつでも認知能力の高い人々によってと打ち立てられてきたことは否定しがたい。
 しかし、EUをリードする国々や政治エリ-トたちもアメリカを中心とする新自由主義的経済と国家運営という枠組みから自由であることは出来なかった。東欧共産圏が崩壊し、次々と東欧諸国が資本主義国家に変わろうとするとき、新自由主義的経済(つまりは政治そのもの)がおそいかかる様子はナオミ・クラインの『ショック・ドクトリン』
[2] に詳しい。
 経済破綻したギリシャに突きつけるEUの経済政策要求は、アメリカがIMFや世界銀行を通じて世界中に押し付けた新自由主義的な施策そのものだったことは記憶に新しい。
 新自由主義経済は、日本でも猛威を振るっているように一国内の経済格差を拡大するが、新しくEUに加わる小さな国々を周辺国家化する機制も併せ持つ。経済後進性の強い国の国民は、二重の格差に追い込まれ、移民という名の経済難民としてヨーロッパを流動化し、経済先進国家の人種差別的ナショナリズムを刺激する。
 イギリスのEU離脱のニュースから読み取れるのは、右翼ポピュリズムとネオリベ保守との闘いという構図ばかりである。そこには国民国家を超えるヨーロッパ統合という理念も新自由主義を乗り越える経済構想も聞こえてくる余地がないかのようだ。EU離脱の動きが加盟各国に広がると心配されるのは当然と言えば当然である。
 ヨーロッパ統合が失敗に終われば、歴史は一挙に100年以上も引き戻されるだろう。いや、歴史は決して戻りはしない。新しい悲惨、階梯の高い悲惨が待ち受けるのみだ。
 しかし、ヨーロッパの歴史を心配している場合ではない。この参議院選挙で、自公を中心とする軍国主義的右翼政党を勝たせてしまうと、私たちもまた歴史を100年も引き戻されるよりも過酷な戦争の時代に突き落とされてしまう。まずは私たちの抵抗と戦いだ。

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集会@錦町公園。(2016/6/26 14:10~26)

 28℃くらいまで気温が上昇するだろうと予想されていたが、太陽が時々雲に隠れたりするので、暑いには暑いが想像していたほどではない。

 主催者挨拶の後、現行憲法の大切さなどの話などがあった。そのあとに太白区長町で金曜行動をしている人たちのコントが演じられた。福島生まれのサユリさんと沖縄生まれのミドリさんの掛け合いである。 はじめはお互いのお国自慢が続くが、話は次第に原発事故と米軍基地の話題に移っていく。米軍基地に蹂躙される沖縄と原発事故で甚大な放射能汚染に襲われた福島の二つのふるさと。最後は、「ふるさとに帰りたいよーっ」と叫んで、童謡「ふるさと」の合唱で終わった。
 長町の集会ではよく演じられているらしいが、金デモでは初演である。スケジュールが重ならない月一の日曜昼デモでは再演が期待できそうだ。

 仙台市が災害時に携帯電話やパソコンなどが使える程度の小型発電装置に補助金を出しているという案内もあった。総額100万円の事業なので、あっという間になくなってしまうかもしれないが、大いに利用されたいということだった。
 また、熊本・大分大震災は中央構造線に沿って震源地は拡大していて、大分県のすぐ先には伊方原発がある。伊方原発は中央構造線から5km程度しか離れておらず、ほぼ直下型の地震に見舞われる可能性もあるという。その伊方原発は核燃料棒の装填を始め、すぐにも再稼動するのではないかと報告があった。  今日のデモが「伊方原発、再稼動するな」というコールに格段の力が入ったのはこの話のせいである。

 暑さにもかかわらず、いつものように集まった40人は、炎天下のデモに出発した。

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定禅寺通り(勾当台通りを渡る)。(2016/6/26 14:38)

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一番町(定禅寺通り~広瀬通り)。(2016/6/26 14:43~48)

 定禅寺通りから一番町に入ると、三越前あたりで若い人たちの路上ライブやふるさと産品の販売テントが並んでいて、急遽、サイレントデモとなって通り過ぎる。
 サイレントデモとはいえ、狭い道で肩を触れ合うように過ぎていくので注目度はかなり高いようだ。今日は脱原発カーがお休みだったので、積み込んである大量のプラカードもない。2、3人の手製のプラカードだけである。間近で見てもらうチャンスだったが……。

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一番町(青葉通り手前)。(2016/6/26 14:53、14:55)

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青葉通り(大通りを渡ってゴールへ)。(2016/6/26 15:00~03)

 少しならず寝不足である。2度の救急入院の後、義母の介護の分担が増えて、最後の仕事である痰の吸入処置を終えると夜中の12時を回ってしまう。
 朝は愛犬イオの時間である。5時になれば否応なくイオにたたき起こされ、散歩、イオだけの朝食と続き、さらに私だけの散歩がある。
 そして、8時半ころから義母の介護の私の分担分が始まる。このような日課が退院後、10日ほど続き、慢性的な寝不足である。本を読む時間がないのだ。

 

[1] ユルゲン・ハーバーマス(三島憲一、鈴木直、大貫敦子訳)『ああ、ヨーロッパ』(岩波書店、2010年)p. 100。
[2] ナオミ・クライン(幾島幸子、村上裕見子訳)『ショック・ドクトリン』(岩波書店、2011年)

 

 

 

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かわたれどきの頁繰り(小野寺秀也)

 
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Last updated  2017.04.08 20:45:32
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