テーマ:映画館で観た映画(8537)
カテゴリ:映画
ハリウッド映画の「幸せのちから」を観て、なんとなく消化不良を起こした。あまりにも場面転換が忙しくて、何も考える余裕がなかったのだ。
『ふーん、そう。実話なんだ。アメリカ人は好きかもしれないけどね』 そしてきのう、映画の日を利用して「幸福な食卓」を観ることになったのだが、アタシは原作を読んでいたわけでもなく、主演女優の北乃きいを知っていたわけでもない。 アタシは、ただ何となく『しあわせって何だろう?』という興味で見に行った。ハッキリ言って「ひまつぶし」感覚だ。観賞料が「映画の日」の1,000円でなかったら観なかったかもしれない。 今年すでに映画館で観た映画は8本目だが、「幸福な食卓」を観て、これまで観た映画は忘却の彼方へ押しやられた。今はウィル・スミスの奮闘ぶりをチョコッと思い出すぐらいで、他に何を観たのか、よく思い出せない。 『ディカプリオ? ああ、そう言えば出てたね・・・』 「幸福な食卓」は、登場人物たったの6人。その他大勢も画面に出てくるが、重要な登場人物は6人に絞られる。だからこその濃密な時間。『最後、どうなってしまうんだろう?』という興味。108分間、アタシは画面に釘付けだった。 無意味とも思える「長回し」がある。多分、観る人によっては『なにこれ?』と思うほどの「長回し」だ。でも、その「長回し」が、何かを感じるだけの「間」を与えてくれる。 崩壊気味の家族。なかなか4人揃わない。甲府盆地を高台から見下ろした風景。甲斐駒が見える。これは韮崎あたりから撮った風景? いろいろ考えを巡らすだけの時間が観客に与えられる。それが知っている風景だったから、余計にいろいろ考えた。 主人公の佐和子だけは、どこにでもいる普通の女の子で、特に変わったところは見あたらない。他の家族はチョコッと変わっているけれども、現実にはもっと変わった家族だってある。一見幸せそうに見える裕福な家庭。でも、その内情は「バラバラ殺人」みたいな・・・ この映画ね、育った境遇によっては『なにこれ?』程度の印象しか残らないかもしれない。でも、アタシは、とっても鋭く「現代の日本」を表現した作品だと思った。外国人にはおそらく理解できないだろう。この映画に出てくる家族のこと。 兄ちゃんのガールフレンドが、最後にとても鋭いことを言う。それはハッとするようなセリフだった。そう言えば、誰にも甘えられない自分がいる。日本には、家族会議なんてありえない家庭がいっぱいある。きっとどこにでもある。だからアタシは愕然とした。 「しあわせ」って形がないものでしょ。なんとなく雰囲気で感じるモノだよね。さほど長時間ではないよ。ほんの一瞬・・・食卓に家族全員分の皿が並んだ瞬間とか、そういう「瞬間」じゃないかと改めて思った。 評価は A です。機会があったら是非観てください。ハリウッド映画なんか後回しでも観られるでしょ。観ればきっと何かを感じると思います。 幸福な食卓(公式ホームページ) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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