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テーマ:お勧めの本(7242)
カテゴリ:小説
キャンセルされた街の案内
作者: 雑誌に掲載されていた短編を収録したもの。掲載されている雑誌のバラエティーがすごい。 「an・an」「小説現代」「文芸」「新潮」「文學界」など。ゆえにそれぞれの作品も、エンターテイメントの要素の強いものもあり、純文学らしいものもあり。 それだけ、吉田氏は器用な小説家なんだなあと思う。 吉田氏の短編は、わりと読後感さわやか!で安心して読めるものが多いと思っていたけれど、この本の中の作品には「え?これで終わり?」というものもいくつかあった。 やはり、『悪人』で大仏次郎賞を獲って、深淵なる世界に入ろうとしているのかしら? 児童虐待、隣人の忍び込み、万引きなど、犯罪を扱ったやや重い作品もあったし。 しかし、私個人としては、高校の同級生と大阪で久々にあって飲むという話『大阪ほのか』がよかったと思う。主人公は男性だけれど、みな38歳で私と同じ。中年になりつつある人間の逡巡というか、あきらめというか、そういうのがほのぼのと描かれていてよかった。 そういえば『悪人』が妻夫木聡×深津絵里で映画になるみたいですね。ベビーフェイスの妻夫木くんがどう主人公を演じるのか、楽しみ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009年11月17日 09時12分35秒
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