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カテゴリ:小説
作者:小川洋子 原稿が進まない作家の日記という体裁。 苔むす宿で苔料理を食す、盗作のニュースに心騒ぐ、、小学校の運動会に出かけて子どもを観察する、子泣き相撲に出かけていく… 日常的にしてシュールが挟み込まれた世界。 「私」は自分の原稿は進まないが、「あらすじ」の名人という設定。老作家のもとを訪れて彼の作品の「あらすじ」を朗読したりする。 面白かったー!小説によって「異世界」に連れて行ってもらってうれしい。 主人公はちょっと変な行動をとるのだけれど、誰にでもある欲求を「やってみてしまいました」という感じ。 「あらすじ名人」という設定も面白い。ちょっと村上春樹的で。 「あらすじ教室」の講師なども勤めていて、実際にそんな教室があったら面白いだろうと思う。 ブログをお読みいただいてもわかるように、私はあらすじを語るのが苦手。ドラマを見逃した友人に「あらすじ」を教えてーと言われても、どこからどう話していいかわからないタイプ。 しかし、「あらすじ」の方が面白い小説ってあるかもしれない。田山花袋の『蒲団』とか、島崎藤村の『新生』とか… この『原稿零枚日記』は細部がなんとも面白いので、あらすじでは面白さがわかりません。 どうぞ、言葉の世界にどっぷりはまってくださいな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010年10月08日 08時59分48秒
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