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まいかのあーだこーだ

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2020.03.27
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カテゴリ:スカーレット!
NHK朝ドラ「スカーレット」。

最終回を迎えるにあたって、
メディアの論評がだいぶ考察めいてきました。
といっても、「あな番」みたいなバカドラマの考察とはわけが違います。
いわば作品論ですね。

本来は妥協の産物であるはずのテレビドラマのなかに、
とりあえず「脚本家の作家性」があると仮定したうえで、
この物語から何を読み取るべきかが論じられるようになってます。

今後、さらに多くの作品論が生まれてくるかもしれませんが、
現時点で気になったものをメモしておきます。

島貫泰介(シンラネット)
・家族主義と個人の距離を測ってきたドラマ。
・家族というテーマに、土や土地の問題を重ね合わせてきた。
・逸脱的な物語ではないが、迂回路や寄り道を示す物語ではある。
・不自由を選択したことによって開かれた可能性。

成馬零一(リアルサウンド)
・父と別れるまでが第1部。夫と別れるまでが第2部。息子との別れを描く第3部。
・第1部で父親を仮想敵とし、第2部以降で自分の内側にある父親を認めていく。
・物語自体はシスターフッド的で、喜美子を中心とした女の連帯が描かれている。




つまりは「不自由を選びなおす物語」とでもいえるのでしょうか。

男児のいない三姉妹の長女であったがゆえに、
「父に強いられた土地」に縛られてしまった主人公が、
いかに女性として、
あるいは芸術家として、
自由に生きることができるのか。

主人公にも、さまざまな選択の自由がありました。
進路を選ぶことも出来たし、夫を選ぶことも出来た。
それだけに、迂回や後戻りの連続でもありました。
進路を捨てることも出来たし、夫を捨てることも出来た。
行ったと思ったら、また戻ってきた。

そして、
主人公が最終的に選択したのは、よりにもよって土(土地)でした。
つまり、生まれ育った信楽で、故郷の土をこねることを選んだ。
不自由の象徴だったはずの「父に強いられた土地」を、
主人公は、みずから選び直したわけですね。

「不自由を自由に変えた」ともいえる。
ジョージ富士川も「自由は不自由や!」と言ってました。

ちなみに婿養子(よそ者)である夫は、結局、信楽の土地を背負うことができませんでした。
この点が「あさが来た」とは逆なのですよね。構造は同じだけど、男女のポジションが逆転している。


さらに主人公は、息子の病気を強いられました。
親を選べないのと同じように、子供を選ぶこともできません。
その子供が病を背負うとしても、それを拒むことはできない。

しかし、ここでも主人公は、その不自由をみずから選び直すのですね。



「女性の自由」あるいは「芸術家の自由」をテーマにした物語です。
しかし、自立というのは、不自由をみずから背負うことでもある。
そのことを正面から突きつけてくるドラマだったと思います。





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最終更新日  2020.09.19 19:01:18
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