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まいかのあーだこーだ

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2022.05.09
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夏近し書肆の森ゆく子象かな 胸躍る図鑑に百獣春の宵 ノスタルジー鱒あてに読む魚図鑑 懐かしやタケノコ掘りを兄たちと 夏近し恐竜図鑑踏むチワワ 開き癖図鑑の虎に春夕焼 桜蘂降るハシビロコウ瞬く
プレバト俳句。
お題は「動物図鑑」。

今回も、
ちょこちょこと添削を添削しています。




ファーストサマーウイカ。
夏近し 書肆しょしの森ゆく子象かな


暗喩が評価された稀有な俳句。

本屋の図鑑コーナーよりも、
むしろ絵本・童話コーナーが見えてきます。
なんとなく宮沢賢治の「オツベルと象」っぽく見える。

主観的な比喩には違いないのだけど、
なぜか客観的なリアリティを感じさせるのは、
たぶん実際の場面が、
ちょっとファンタジックだからなのだと思う。

上五で切ってるのに「かな」で締めるのは、
一般的なセオリーに反してるけど、あまり気にならない。



研ナオコ。
懐かしや タケノコ掘りを兄たちと
筍を掘りしかの日や 兄二人
(添削後)

夏井先生の《楽しいな俳句》では、
最後に「楽しいな」を消去して季語に置き換えるのですが、
いかにも初心者らしく感情語をそのまま詠嘆しちゃったと。

ちゃんと消せよ(笑)。
梅沢はほんとに指導してるの?



ところで、
添削句は、中七を「や」で切ってます。

本来、
中七を「や」で切る場合は、
下五に季語を置くのがセオリーだろうと思う。
そうしないと、前段と後段のバランスが取れず、
下五がたんなる付け足しみたいになってしまうから。

先生はこのセオリーをあえて破ってますが、
それについての解説もとくにありませんでした。

ふつうに考えれば、
カットを割る必要もないのだし、
筍を掘りしかの日の兄ふたり

でいいと思う。



おいでやす小田。
胸躍る図鑑に百獣 春の宵
百獣の図鑑や 春の夕焼ゆやけはや
(添削後)

これも感情語を上五に置いちゃったのね(笑)。

添削では、
下五を「夕焼はや」としていますが、
映像でなく時間の経過をいうのなら、
むしろ「日暮はや」のほうが適当かな、と思います。

ちなみに「春の暮」という季語は、
本来は《春の日暮れ》でなく《晩春》の意味なので、
作者はそれを使わなかったそうです。なるほど勉強になった!




キスマイ宮田。
ノスタルジー 鱒ますあてに読む魚うお図鑑
鱒あてに子どもの頃の魚図鑑
(添削後)

これも感情語を上五に置いてしまった。

添削句では、
大人になった自分を主人公にしてます。

しかし、
作者自身は父を詠んだらしいので、
その意図を活かすなら、
鱒あてに魚さかな図鑑をめくる父
のようになるかと思います。



皆藤愛子。
夏近し 恐竜図鑑踏むチワワ


かりに、
「チワワ」の代わりに「赤子」だったら、
ほのぼのとした情景に見えるだろうけど、

最強のハチュウ類と、
最弱のホニュウ類を対比したことで、
なにやら、わたしには、
進化の歴史を壮大に皮肉ってるように見えます。

驕れる者も久しからず。苛酷な生物淘汰の句。



千原ジュニア。
開き癖 図鑑の虎に春夕焼
春夕焼 図鑑の虎に開き癖
(添削後)

描かれた場面は、
「図鑑」と「春夕焼」の2カットで構成されるのだから、
原句は、切れの位置がおかしい。

その意味で、添削が正解。

なお、先生の解説では、
《季語の「春夕焼」は差し込む光ではない》とのことで、
助詞の「に」の役割に疑問を呈していました。
…もっとも、
助詞の「に」には《並置》の用法もあるので、
(たとえば「月に雁」のような言い方)
原句の用法が間違いだとまでは言えません。




梅沢富美男。
桜蘂さくらしべ降る ハシビロコウ瞬く


え、何これ?
ほんとに梅沢が作ったの?

2つの動詞を並置して、
まるでスローモーション動画みたいに仕立てた破調の句。
そもそも「ハシビロコウ」って、どっから出てきたの?
あ、そっか。動物図鑑か…。

ともかく、
内容的にも、形式的にも、
今までとはだいぶ作風のちがう驚きの一句。

よくいえば型破りで放胆だけど、
悪くいえば奇を衒ってるようにも見えます。

ちょっと梅沢らしからぬ作品!
それほど好きじゃないけど!(笑)





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最終更新日  2022.05.09 12:48:48
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