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月9の「ONEDAY」も記憶を失くしてる話だし、
上田誠の「トキコイ」も記憶を消される話だけど、 ドラマの記憶喪失ネタって、 たいていはファンタジーなのよね。 … でも、このドラマは、 リアルモードで見ればいいのか、 ファンタジーモードで見ればいいのか、 いまいちよく分からなかった。 ◇ NHKの記事によると、 記憶障害は、けっして珍しくないらしい。 https://www.nhk.or.jp/heart-net/article/852/ だから、このドラマも、 ただの悲恋ネタじゃなく、 リアルな疾病として扱った作品といえなくもない。 でも、 自分の名前さえ忘れてしまうのに、 車の運転や土地勘は失わず、 キッチンカーの運営ができるのは不思議だったし、 そもそも、 空はどこで寝泊まりしてるのかも分からず、 材料の仕入れとか、銀行の入金とか、 そういう作業を自分で出来てるのかも謎でした。
そのほか、 実家の場所は忘れてるのに、 廃墟の場所は覚えてるとか、 茜にしても、 親友や恋人のことは忘れてて、 デートした喫茶店のことも忘れてるのに、 プリクラの撮り方は覚えてたりとか、 どうもディテールに不可解なことが多かった。 解離性健忘は、 患者によって症状がさまざまで、 何を覚えてて何を忘れるのかも、 人それぞれなんだろうけど、 もうちょっとディテールに説得力があれば、 リアリティのある話として見ることも出来たと思う。 映像は綺麗でしたけどね。 まるでシチリア島みたいな、 淡路島での質素な結婚式も、 なんか狙いすましてる感じだったし。 ゴッドファーザー的な? 最後のシーンも、 ちょっと神秘的で面白かったです。 朝、空が目を覚まして、 どうも記憶を失くしてるっぽいのだけど、 部屋にたくさんの写真が貼ってあって、 テレビには廃墟ピアノを弾く妻も映ってて、 息子と妻は何も言わず寄り添ってくる。 脳内の記憶が失われても、外側の記憶が覚えてるのね。 ◇ まあ、健常者だって、 すべてを記憶しながら生きてるわけじゃなく、 じつはいろんなことを忘れながら生活してるのだし、 たとえば老人性痴呆の場合も、 いろんなことを忘れていながら、 目の前の状況の連続性のなかで、 とりあえず生活を続けてるだけなのかもしれません。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2023.12.18 11:57:50
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