テーマ:政治について(19791)
カテゴリ:政治
能登半島北端の珠洲市には、
かつて原発の建設計画がありました。 住民の反対がなければ、これが稼働していたかもしれない。 一方、 能登半島西岸の志賀原発は停止中でしたが、 もし福島の原発事故がなければ、やはり稼働していた可能性が高い。 かりに、これらが稼働していたら、 今回の能登半島の大地震によって、 2つの原発事故が同時に発生したかもしれません。 ◇ 今回、志賀原発は、 地震発生後ただちに「異常なし」と発表し、 翌日にも「取水槽の水位に有意な変動なし」としましたが、 しばらくたって、 「取水槽の水位は約3メートル変動」 「変圧器で火災が発生し消火」 「外部電源の大小2系統のうち主要系統が欠損」 「変圧器で配管が壊れて3500リットル油漏れ」 「油漏れの量は当初発表の5倍の2万リットル。海にも流れた」 「モニタリングポストが18カ所で測定不能」 「消火はしておらず火災そのものがなかった」 などと発表を二転三転させており、 その管理体制と情報の信憑性に疑念がもたれています。 ◇ 原発事故が発生した際の避難計画では、 《半径5キロ圏内の住民は避難先へ移転》 《半径30キロ圏内の住民は屋内へ退避》とされており、 さらに、モニタリングポストの値によっては、 《半径30キロ圏内の住民も避難先へ移転》としています。 しかし、今回の大震災では、 複数のモニタリングポストが計測不能になっている。 また、 たとえ正常な計測ができたとしても、 幹線道路が寸断され、 迂回路もなく、空路や海路の確保も困難をきわめ、 数日経っても複数地区が孤立状態に置かれるなど、 原発から30キロ圏内にあたる能登半島のほぼ全域で、 避難先への移転は実質的に不可能になることが判明。 また屋内退避をしても、多くの地区において、 外部からの救援や物資の搬入が困難になることが分かりました。 さらに避難所では、 「防寒やトイレに新聞紙を使え」などと言うありさまで、 すでに凍死する事例も出ており、 公共の避難所ですら、まともに生命を維持できない状態です。 志賀原発が想定した避難計画は、現状において完全に破綻している。
さらに深刻なのは、震度予測の問題。 今年3月、原子力規制委員会は、 「志賀原発の敷地内に活断層はない」と判断し、 それにもとづいて、 経団連の十倉雅和は稼働再開を要請していました。 にもかかわらず、今回の震災では、 町内の観測点で震度7の揺れを記録し、 一昨日の夜にも震度6弱の揺れに襲われています。 端的にいえば、 原発敷地内の「活断層の有無」の判定は、 震度の予測にとって意味をなさない …ということ。 これは志賀原発のみならず、 日本のあらゆる原発に当てはまることです。 活断層がないことを「安全性」の理由にしてきた原発は、 その主張の根拠を完全に失っています。 活断層の調査とは別の手法を確立しないかぎり、 地震の予測は本質的に不可能であることを示している。 … ちなみに一部のネトウヨは、 「震度7にも耐えたのだから大丈夫」 などと言ってますが、 震度7を記録したのは町内の別の観測点であって、 志賀原発の地震計が測定したのは「震度5強」です。 つまり、 停止状態で震度5強の揺れにすら耐えられず、 主要な外部電源を喪失するなどの被害を出すほど、 深刻な脆弱さを露呈してしまった、ということ。 震度5強と震度7では雲泥の差があります。 もし稼働した状態で、 震度7クラスの揺れに襲われていたら、 いったいどうなっていたのか。
また、 今回の震災では4mもの地盤の隆起が見られましたが、 原発が津波対策をする際にも、 数メートルの隆起や沈降を考慮せざるをえないし、 地盤そのものが傾いたら、いったいどうなるのか、 …ということを危惧せずにはいられない。 ◇ 経団連の十倉雅和は、 原発稼働要請への批判をかわすべく、 口先では「被災地を支援する」などとウソぶいてますが、 その反面で、大阪万博開催の方針を変えていません。 しかし、万博の開催強行は、 被災地復興にかかる建築資材の高騰や、 人員・重機・資材不足などに拍車をかけるため、 事実上の「二者択一」が迫られています。 経団連会長は、大阪府の知事とともに、 「復興の足枷になってでも万博開催を強行すべき」 との態度を示していますが、 日本国民は、 政権と財界のこのような対応を許容できるのか。 また、大阪府民は、 吉本興業などと結託しながら万博・カジノへと突き進む、 吉村洋文をこのまま大阪府の首長として承認できるのか。 そのことが問われています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2024.01.10 21:19:32
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