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白い純粋直方体とガラスの純粋直方体
Q 近代建築において、純粋直方体としての白い箱とガラスの箱はいつできた? A 大ガラス面を付けた内外が非対称な白い箱は、L.コルビュジエによる1920年のシトロアン住宅案、1922年の職人のための住宅案が早い例です。ガラスの箱はP.ジョンソンによる1949年のガラスの家とミースv.d.R.による1951年のファンズワース邸が最初です。 白い箱はシュレーダー邸がもっとも早い例ですが、3分割を表した凹凸があって内外共に対称性が強く、伝統的な構成もひきずっています。1920年代のコルビュジエによる住宅は、白い箱と大ガラス面、横長連続窓、偏心した吹き抜けとオープンな階段や斜路など、革新性の高い、純粋直方体としての白い箱でした。1910年代のコルビュジエの箱形は、屋根スラブがコーニス状に突出して、純粋直方体というには古典主義の伝統をひきずっています。20年代に入り、開き直ったような抜けきった抽象性に至っています。 コーナーを回り込む大ガラス面は、2011年のファグス靴工場や1926年のバウハウス校舎ですでに実現しています。四周が完全なガラスの箱はミースが1951年に竣工するファンズワース邸で考えていたものですが、そのスケッチを見たジョンソンが先に1949年に自邸で実現してしまいました。 ・C.F.A.ヴォイジイやB.スコットによる住宅も白い外壁で近代性の現れともいわれていますが、凹凸のある白いラフキャスト(小石の混じったしっくい)の壁は中世からの伝統的なもので、なによりも屋根がフラットではなく切妻や寄棟がかかっており、純粋直方体ではありません。 参考文献 “Le Corbusier oeuvre comple(‘)te 1910-1929” Artemis Zurich, 1964 「a+u1979年6月臨時増刊号 フィリップ・ジョンソン作品集」エーアンドユー、1979 ゼロからはじめるシリーズの17冊目、近代建築入門が出版されました!約400頁すべてにイラスト!ライト、ミース、コルビュジエ、グロピウスばかりでなく、ラッチェンス、ガルニエ、ペレも深堀り。表紙はドミノシステムを変形(だから角柱)+サヴォア邸+プレキャスト風味に、はしごが左に寄っているのはガルシュの家(ミースのテューゲントハット邸も)の外階段やテラスの欠き込みから、1階のコルはモデュロールのポーズ、ペリアンも登場(裏表紙ではペリアンがコルの長椅子に座る)、海はコルがあこがれ、最期の場所ともなる地中海。アイデアはボクで、絵はイラストレーターの内山良治さん。 南米の川の方での書籍紹介文:「ゼロからはじめるシリーズの17冊目。19世紀の黎明期から、モダニズム建築、さらにその後のポストモダンにいたるまでを概観し、建築デザインと、建築家の思想が日本と世界に与えた影響が理解できる。空間構成、建築家とその思想をユニークなイラストでビジュアルに紹介。どのように近代建築が生まれ展開していったかを総合的に理解できる。」 2級建築士受験スーパー記憶術新訂版が出来ました! 2級では木造を多くして80頁強にし、RC、Sなどは基本事項に絞り、1級で載せられなかったような積算用語、建築史用語、都市計画用語なども数多く載せました! アクソメで分析するルイス・カーン、ル・コルビュジエ、ミース、グロピウス、F.L.ライト イラストで読む建築史! 建築基準法の法令集の読み方を、わかりやすく学べます。第5版第2刷をお求めください。 建築法規スーパー解読術 新訂第5版 修正追加部分 建築法規の入門はこれで↓ 改訂第3版をお求めください。 1級建築士試験の用語、公式などを一気に覚えられます。新訂版をお求めください。 木造入門の決定版!改訂第2版をお求めください ミカオ建築館ではユーチューブ動画と書籍を検索しやすくまとめてます! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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2024.04.12 12:21:13
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