| 【ゼア・ウィル・ビー・ブラッド 】2008年4月26日(土)公開 | 監督・製作・脚本 : ポール・トーマス・アンダーソン | 出演 : ダニエル・デイ=ルイス/ ポール・ダノ/デイロン・フレイジャー | 観たい度 : ★★ → 観賞後の評価 ★★★☆ | 原作 : アプトン・シンクレア『石油!』 | 「 ゼア・ウィル・ビー・ブラッド / THERE WILL BE BLOOD (2008) 」 2007年・第80回アカデミー賞において、主演男優賞、撮影賞の2部門受賞しました。 監督は、「パンチドランク・ラブ (2002)」で監督、製作、脚本を手掛け2002年カンヌ国際映画祭で監督賞を受賞したポール・トーマス・アンダーソン。 主演は、2007年・第65回ゴールデン・グローブ賞及び、第80回アカデミー賞で主演男優賞を受賞したダニエル・デイ=ルイス。
共演は、主人公ダニエル・プレインビューの息子H.W.役でディロン・フレイジャー。もともと撮影が行われた西テキサスの地元住民で、テキサス州フォート・デイヴィスで発掘されました。 そしてポール・サンデーと怪しげなカルト教で人々を惑わすイーライ・サンデーを演じたのは、「リトル・ミス・サンシャイン (2006)」でアビゲイル・ブレスリン演じるオリーヴ・フーヴァーの兄ドウェーン役を演じたポール・ダノ。
Story : 20世紀初頭、カリフォルニア。銀鉱労働者のダニエル・プレーンビューは、石油源を掘り当て、運よく石油王に成り上がる。ある日、ダニエルの前に現れた若者が、彼の家族が持つ農地から石油が染み出ていることを告げる。より大きな富を手に入れるため、ダニエルは血のつながらない息子と共に旅立ち、この街で石油を掘り当てるのだが…。
「2008年4月26日公開 」
ー 作品情報より ー
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昨年は、レオナルド・ディカプリオ主演で、膨大な富を呼ぶダイヤモンドをめぐって繰り広げられる欲望と血に染まるドラマ「ブラッド・ダイヤモンド」が公開され絶賛されましたが、本作も同じ掘り当てると膨大な富を産むブラック・ダイヤモンド「石油」を偶然掘り当てた鉱山労働者の血ぬられた欲望のドラマです。 本作が前者と違っているのは、前者が現代の「紛争ダイヤモンド」と呼ばれる地球規模の社会問題における問題提起ともいえる内容であるのに対し、鉱山労働者だったダニエル・プレインビュー個人の欲望と人生の破滅への血路を描いた作品だということです。 アカデミー賞において主演男優賞を受賞したダニエル・デイ・ルイスの演技は圧巻でした。
しかし、「リトル・ミス・サンシャイン (2006)」でアビゲイルの兄を演じたポール・ダノの怪しいカルト教牧師イーライ・サンデーのエピソードがこのストーリーに暗雲を立ち込めさせている雰囲気を暗示させている役目はわかるのだけれど、158分の長さにもなってしまい、カルト教的雰囲気がどうにもホラーまがいのストーリー色に傾倒しがちで半ば質を落としている気がしてなりません。 もちろんポール・ダノの演技はそれなりに良かったと思うのですが・・・ 他人を信じない人間不信な性格のダニエル・プレインビューが捨て子を拾って育てたH.W.をわが子として連れ歩くことで人の信用を買い、融資や土地買収のために利用していく様や、腹違いの弟と名乗る見知らぬ男を信用して自分の右腕として働かせようとそばに置くあたり、人間不信でありながらもどこか潜在意識の中で血のつながりに頼りたいと願う孤独な男像をダニエル・デイ=ルイスがうまく演じていました。 自分の欲望と野心を阻むものを冷酷にも憎み排除してしまう人生の転落を暗示させる彼の行動と、もはや正義や道徳的観念のかけらもない冷酷非道な鬼と化していく様はまさに圧巻・・・・。 そこで終ってくれていれば★4つ付けるに値したと思うのですが、あのラストのくだりは必要だったのだろうか・・・・なんだかちょっと興ざめした分★半分減ったという感じです。 ~ おしまい ~
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