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私訳・源氏物語

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July 1, 2009
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  真木柱は、母親である「髭黒の前の北の方」とは正反対の、「いと、晴々しう、今めきたる」女性に成長しました。

 髭黒の前の北の方は、今で言うならうつ病の傾向が感じられますが、暗く病んだ不幸な母親の影響を受けることのない、すこやかでバランスのとれた心の持ち主だったのでしょう。

 そうした明るさ素直さは、生来の彼女に備わった性格もあったのでしょうけれど、父親の髭黒から愛され、大切に育てられたという、幼少時の真木柱の「実感」が大きく影響していると、私はそう思いたい気持ちです。

 人は自身の「不幸」や「不運」には敏感に反応し、嘆いたり愚痴をのべたりしがちです。

 そこには「同情され、慰められたい」という心の弱さや矜持の欠如、あるいは「健気さの誇示」という自己顕示欲が見え隠れしているのですが、それに気づかない愚鈍さもあるように思います。

「暗闇を嘆くより、一本のろうそくに灯をともせ」

ということわざがありますが、不幸や辛さにばかり目を向けるのではなく、小さな幸せ、取るに足りない些細なことにも生きる喜びを感じ取る「感受性」を養い、暗さの中に蹲るだけでなく、高みへ目を向ける心の浮力を身につけることこそが、生きる上での大きな力になると、私は信じています。






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最終更新日  August 20, 2017 02:41:44 PM
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