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私訳・源氏物語

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July 13, 2009
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 九月になりますと、紅葉が所々色づいて、中宮のお庭はえも言われぬほどうつくしいのです。

 風がうち吹く夕暮れに、中宮は御箱のふたに色々な花や紅葉を取り交ぜて、紫の上に差し上げます。

心から 春待つ園はわが宿の 紅葉を風の つてにだに見よ

 春のお好きなお母様でいらっしゃいますから、心から春の到来をお待ちでいらっしゃいましょうが、私のお庭の秋の紅葉もみごとでございますよ。どうか風のたよりにでもご覧くださいませ。

 紫の上からはこの蓋に苔を敷き、岩などを配置したお庭にして、五葉の松の枝に御文を結びつけ、

風にちる もみぢはかるし 春の色を 岩根の松にかけてこそ見め

 秋風に散ってしまうような軽い紅葉など、面白くないではありませんか。それより私は春の花のうつくしい色を、この岩根の松(常緑樹)の変わらない緑色とともに、いつも見たいと思いますわ。

と、ありました。

 秋好中宮と養母・紫の上の、おちゃめで楽しそうなやり取りは、まるで六条院の女性たちの「春」が描かれているようです。

 源氏物語は六条院完成で絶頂期を迎えます。このころの華やぎは後半になると失われていき、人生の「秋」から「晩秋」に向って、まるでつるべ落としのように暗くなっていきます。

 






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最終更新日  August 20, 2017 02:37:00 PM
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