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私訳・源氏物語

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September 28, 2010
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カテゴリ:源氏物語

「ほんに不注意者のする事ですね。それでは修繕させることにましょう。
今日は元旦ですから不吉な事を慎んで、泣いてはいけませんよ」

 と、お出掛になります。

多くの供人を従えて物々しく、女房たちも端に出て見たてまつりますので、
紫の姫君も出てお見送りし、源氏の君に見立てた人形を飾り立て、
参内のまねなどなさるのです。

「今年こそはもう少し、大人におなりなさいませ。
十歳を過ぎた人はお人形遊びなどなさいませんのに。

このように男君がおいでなのですから、奥方らしくしとやかにお振舞いあそばせ。
御髪を調える事さえ面倒がっておいでなのですもの」

 と、少納言が申し上げます。

 姫がお遊びにばかり熱心でいらっしゃいますので、
『少しは恥ずかしいと思っていただかねば』と思って申し上げたのです。

ところが姫は内心、

『少納言がそう言うからには、私は夫を持ったのだわ。
この女房たちの夫といえば醜い男ばかりだけれど、
私の夫はあんなにご立派で若い人なのね』

 と、今初めて思い知ります。

 いくら幼いとはいえそんなふうにお考えになるのは、
それなりのお年頃でいらっしゃる証拠なのでしょうか。

 かように子どもじみたご様子が事に触れてはっきりしていらっしゃいますので
、二条院にお仕えする女房たちも訝しくは思うのですが、
『夫婦らしくない添い臥し』であるとは思いよらぬ事でした。






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最終更新日  March 6, 2017 10:11:01 PM
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