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カテゴリ:源氏物語
ご子息たちを皆引き連れたご威勢もあらまほしく、 その中でも宰相の中将は他の人たちの様子に劣らずご立派で、 宰相の中将は、叔父・内大臣殿の仕打ちを恨めしく思っておいでですので、 内大臣殿もいつもより意識なさるせいか、目をお止になります。 六条院からもお布施の物が参ります。 夕方になり皆がお帰りになる頃、花は散り乱れ、霞みが立ちこめています。 内大臣は昔の事をお思い出しになりながら、 宰相の中将も趣のある夕べの景色に、ひどく気持がしんみりとなすって、 内大臣はその姿をご覧になって 「どうして私をこんなにお苦しめになるのでしょうか。 と仰せになります。宰相の中将はかしこまって、 「亡くなられた大宮のご遺言でも、『内大臣殿を力とお頼み申し上げるように』 と申し上げます。 折しもひどい雨風になりましたので、皆先を争ってそれぞれお帰りになってしまいました。 『どういうおつもりで、あんな事を仰せになったのか』 と、いつも気掛かりな内大臣家の事ですから、ちょっとした言葉にも敏感になって、 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
September 22, 2013 01:58:18 PM
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