物質文明から精神文明へ
物質文明から精神文明へ標題からみると少しオカルトっぽいかもしれません。いま、文明が大きく変化する時がやってきているのかもしれないのです。過去、人々は大きく文明の変革を遂げながら進化してきたといえます。大きな変革は樹上から地上に生活の場を替えたときでしょう。サルからヒトになった時です。ヒトは枝をつかんでいた両手が自由になったことから道具を使うようになりました。道具は、より使いやすく効果の高い物に変わっていきました。何もかも燃え尽くす怖い火も、ヒトは上手にコントロールするようになりました。道具を使い、自由に火を点けたり消したり、持ち運んだりできるようになったのは、ヒトの第二の進化、変革でしょう。火を使えるようになると、道具は木や石から鉄器に変わっていきます。また狩猟生活から農耕生活に変わったのも第三の変革です。農耕生活というと穏やかな人たちを想像させられますが、実際は戦闘に明け暮れる時代の始まりだったのです。食糧が安定供給されると人口が増えます。人口が増えると田畑を広げなくてはなりません。土地の争奪戦がはじまり、戦いがおきます。第三の変革はヒト同士が殺し合う戦いの時代になったことです。そこから文明は駆け足になりました。よりよい武器を開発することは生活の道具も同時に開発されていくのです。メソポタミアや中国に文明が花開いてから、せいぜい四、五千年です。地球の歴史からみるとほんの短い期間です。人間が初めて地上に降りて暮らし始めた頃は、氷河期だと言われています。寒いし、餌は乏しい、夜になると野獣に怯えながら眠ります。生活の質は最低です。動物と人間との大きな違いは現状に満足しないことだそうです。恒に不満を持つ性格なのだそうです。そう言われてみれば、満足ということがなかったかもしれません。どんなに素晴らしいことがあっても、つぎはもっと素晴らしいかもしれないと思うからです。話が大きく飛びますが、バブル時代の日本人は、刹那的な楽しみに熱中ていしました。欲しければ何でもローンで買い、いらなくなれば捨てる。新しい物、高い物、ブランド品が飛ぶように売れました。そんな素晴らしい毎日だったのに。ある日、その生活に不満を感じます。遊んでばかりでいいのか、借金まみれの生活でいいのか。これも現状への不満です。正しい道に戻ったというより、恒に満足しない性格からきているのです。バブル期はサラリーマンの一生の給与より家が高くなってしまいました。立ち止まったのはそのためです。家もなく年老いていいのか・・、不安がバブルに穴を開けてはじけてしまいました。今、100年の不況といわれ、経済界はバブルの再来を待ち望んでいます。思えばあのころは良かった。人は借金までして物を買いあさった。バブル期の生活は貸借対照表は債務超過なのに、生活の質は高かった。実質は貧しかったのに。今は、人々の財布の紐は堅いです。物を買いません。安ければ買うけれど~、という時代が長くつづいています。さて、もう一度振り返ってみましょう。原始時代の人の生活はどのようなものだったでしょうか?動物園のチンパンジーのような暮らし方でしょうか?もっとも動物園では餌の心配がないので、野生時代とは大きく隔たっているでしょう。人間が食べるものを与えるわけですから、栽培された野菜や果物、穀物などを食べています。野生なら木の葉や皮、実、酸っぱくて小さくて種の多い果物になります。その上、危険なことがありません。野獣に襲われる心配がないのです。夜も昼も安心して寝ることが出来ます人の目からみますと動物園の方が、野生よりも生活の質が高くなります。食事は豪華、掃除はしてくれる、セキュリティー万全、病気になれば医者が飛んできてくれる。ホテルのスィートで生活しているような物です。しかし、ヒトは至れり尽くせりの生活でも満足しません。いってみれば刑務所の暮らしです。刑務所は食事も寝るところも医療もあるのに、刑罰になるのは、その暮らしが辛いからです。ああ、だが、現代は刑務所志願の人が増えています。わざわざ大きな犯罪を起こして刑務所に入る人がいます。刑務所が刑罰にならなくなるというのは、浮き世の暮らしが物質的ばかりではなく心から貧しくなったからでしょう。心の貧しさとは、大きな不満が物質文明の中に起き始めているからかもしれません。浮き世の暮らしが不満になっているのでしょう。が、これは、ヒトの時代に大きな変革が起きかけているのかもしれません。いい方にいくのかは、わかりません。いま人々は不満の固まりです。物質文明への不満なのでしょうか?私たちは携帯やPCにお金をつぎ込み、形のない物に囲まれるようになりました。生活の質が変化しつつあります。物質文明の崩壊が来ているのなら、この苦しい過渡期を乗り越えれば、新しい時代がやってくるのかもしれません。人口は爆発的に増加し、地球上はヒトに覆い尽くされました。聖書などを読むと、ヒトは傲慢になり地に溢れ、そのたびに神の怒りを買って大洪水などがおきていました。大洪水の後、生き残った人々は今までの文明を捨て、また一から新しく始めていたのです。さあ、生活の質を高めながら、そこそこの幸福感を得るための文明を人類は求めるときにきました。変革をいい方に向けるのは私たちヒトの力なのです。またまた長くなりました。