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2007.05.09
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ヒッピアス



プラトン「メネクセノス 戦死者のための追悼演説」

 訳は、津村寛二。


 プラトン全集10巻「ヒッピアス(大)ヒッピアス(小)イオン メネクセノス」より。

 
 これまでの対話編と全然毛色の違った

 戦死者に対する追悼演説。

 
 ギリシャにおける追悼演説・・・

 ソクラテスによると、

 「それぞれの戦死者について、真に当人の手柄であることもそうでないことも引き合い

  に出し、それを言葉をつくしてこの上もなく美しく飾りたて、

  もってわれわれの魂を魔術のように魅了するのである。

  そして彼らは、ありとあらゆるやりかたでこの国をたたえ、

  戦争で死んだ人をたたえ、われわれに先立つすべての祖先をたたえ、

  その上まだ生きているわれわれ自身をもたたえるものだから、

  ・・なんだか自分がすっかり偉くなったような気になって、

  そしてその度ごとに、聞きほれ、魅惑されながら立ちつくすのだ、

  その場で急にもっと背が高くなり、もっと高貴で美しくなったように思ってね」

 という調子なのだという。

 
 メネクセノスという青年が、追悼演説の演説者を誰にすべきかの会合で、

 今日のところは誰にも決まらなかった、という話をしたところ、

 ソクラテスは、そんなものポイントを押さえれば誰にでもできる、という。

 しかも、ソクラテス自身、昨日、弁論術のアスパシア先生から教わったばかり。


 そこで、メネクセノスが、アスパシアの追悼演説を教えてほしい、とせがむ。


 その演説は、アテナイが、「神々の愛でたもう国である」ということから、

 数々の戦いで勝利を収めてきた、いかにすばらしい国であるか、

 をとうとうと語った格調高いもの。

 
 ・・でも、こんなナショナリズム・・そんなに嫌いじゃないのですが、

 プラトンにしては似合わないなあ、と思いつつ読む。


 結果、演説そのものは、この格調のまま無事終わる。


 が、そもそも、かのようにポイントを押さえれば誰にでもできる、

 ということをソクラテス自らが証明することで、

 大時代がかった調子で、史実を枉げてまでして

 国ために名誉の戦死をすることをたたえる人々を

 揶揄していました。

 

 人類は壮大な世代のリレー・・

 ・・・もっと素朴な意味で、先祖に感謝することであれば大賛成ですが、

 って、プラトンとは関係のないことかもしれませんが。 





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最終更新日  2007.05.09 22:27:27
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