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2011.02.27
カテゴリ：書評・読書メモ
荒涼館 ディケンズ 筑摩世界文学大系（３４）
訳 青木雄造、小池滋 村上春樹さんや筒井康孝さんなどがお気に入り、または絶賛している 小説の中の小説の一つであるディケンズの「荒涼館」・・ アランの解説・・ ≪「荒涼館」とは淋しい家、悲しい家、不安の家の意味である。 実際には、田舎の魅力的な家であるが、主人は東風が吹くと、 そこの「怒りの間」にはいって少々ふさぎこむ。≫ 冒頭、この小説には２つの大きな謎が示されます。 １つは、ジャーンディズ対ジャーンディス事件 数十年間と６～７万ポンド・・数億円以上か？を費やされた大法官裁判の謎 もう１つは、主人公の女性のエスタの出生に関する秘密 『おまえのおかあさんは、エスタ、おまえの顔に泥をぬり、 おまえはそのおかあさんの顔に泥をぬったんだよ』 という呪いの言葉をかけられて育った少女 後者の謎は、徐々にわかり、種明かしされ、多くの登場人物がつながります。 しかし、前者にいたっては・・・！！ 全部で６７の章ですが、中盤までは１つ１つに新たな登場人物が出てきて、 独立した物語となっています。登場人物たちの特徴的な思考や行動と、 エピソードで読ませます。 特に、みなし児のジョーが出てくるところは、臨場感があふれています。 ≪「この文明世界のまっただ中で、人間の形をしたこの子供の方が、 宿なしの犬よりも始末をつけにくいなんて」 しかし奇妙だといってもやはり事実は事実なので、つけにくいことには 変わりない≫と、アラン・ウッドコートは思案する。 エスタの親友エイダの暮らしぶり・・ ≪私たち一家は、銀行預金はそんなに豊かではありませんが、 暮らし向きに困ることはなく、みち足りた生活を送っています。 私が夫といっしょに外を出歩くと、いつもひとびとから感謝の言葉が 捧げられるのを聞きます。 貧富を問わずだれの家へいっても、夫をほめたたえる声や、感謝のまなざしに 出会うのです。・・ これが豊かでみち足りた生活といわなくてなんでしょう？≫  筑摩書房・ディケンズ 青木雄造/小池滋訳世界文学全集23 ディケンズ集2 荒涼館2 ジョン・ジャーンディス エスタ・サマソン エイダ・クレア リヤード・カーストン アラン・ウッドコート レスタ・デッドロック卿 ホノーリア・デッドロック夫人 タルキングホーン弁護士 バケット警部 ジョー クルック ホードン大尉（ネーモー） ハロルド・スキムポール マドマゼル・オルスタンス ポイソーン ミセス・ジェリビー キャディ ターヴィドロップ、プリンス ジョージ軍曹 ケンジ・アンド・カーボイ ガッピー  【送料無料】荒涼館（1）  【送料無料】荒涼館（3）  【送料無料】荒涼館（4） お気に入りの記事を「いいね！」で応援しよう
最終更新日
2011.02.27 22:17:27
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