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システムエンジニアの晴耕雨読

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2012.03.12
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カテゴリ:書評・読書メモ

【送料無料】大聖堂ものがたり

大聖堂ものがたり―聖なる建築物をつくった人々 (「知の再発見」双書)

アラン・エルランド=ブランダンブルグ

訳 山田美明

監修 池上俊一

創元社

2008年刊



 大聖堂の建築ラッシュの時代・・


 1050年から1350年にいたる300年間に、

 フランスでは80の大聖堂、500の大教会堂、数万の教区教会堂が建てられた。




「建築家が下劣な人間であれば、崇高な建築物は決してできないであろう」12世紀後半の国王の言葉


 ・・当時、建築家は、深い教養を持つ知識人であり、「科学」者であり、名工でもあった。

 だが、10世紀末から11世紀初頭の時期、建築主の期待に添える専門家はいなかった。

 専門知識が一つに限られた職人には、遠大な計画を実現することができなかったため、
 
 建築主自身・・古代文化を知悉し、歴史的建造物に造詣の深い知識人でもあった
 修道士や司教、修道院長など、雇い入れる建築家を指導することになった。

 12世紀になり、建築家という職業が形成されてからは、
 修道士たちは、直接建築に携わる仕事は建築家に任せ、現場の管理に専念するようになった。
 
 この現場の管理こそ、今日のプロジェクト管理に相当するものであった、と思われる。


 
 フェルナン・ブイヨンの小説『野の石』より・・12世紀の建築家の心境を描いた。

 「私は生涯、修道士というよりは石工、キリスト教徒というよりは建築家であった。
  それは私の落ち度なのだが、修道会が私にそう仕向けたともいえる。」

  ・・さまざまの修道院の建物の建築に携わった。

 「建築家とか施工者と言う時、それは単なる名称ではなく、そこには確固とした絶対的な
  役割がある。
  形態、大きさ、重さ、耐久力、圧力、尖塔、バランス、動き、線、経費や負担金、
  湿度、乾燥、暑さや寒さ、音響、光、陰や薄明かり、感覚、土、水、空気、そして
  ありとあらゆるものが、この至高の役割のなかに、建築を行う普通の男のたった1つの
  頭のなかにあるのだ。」



 1261年、ニコラ・ド・ビアールの説教・・
 
 「大規模な建設作業に雇われる主任建築家というものは、いつも決まって口で命令するだけで、

  実際に手を出すことなどほとんどないのに、給料だけは他の者よりかなり多く受け取っています。
  
  石工の棟梁たちも、手袋をした手に鞭を持って『こういうふうに切れ』と命令するだけで、

  自分たちはほとんど働かないくせに、報酬だけはたくさん取るのです」(>_<)



 建築家の地位が、確固たるものとなるにつれ、建築主にとって由々しき事態が起こります。

 一人の建築家がいくつもの現場を掛け持ちするようになり、現場が遠い場合、欠勤が恒例化する。

 それを禁止する契約も結ばれるようになる。



 革新的な建築物を建設するには、建築家を一人呼び寄せるだけでは不十分であり、
 建築家を支援できる高い技術水準を持った職人たちも一緒に連れてくる必要があった。

 老ベルナールは、サンティアゴ=デ=コンポステーラ大聖堂の建設のため、
 50名の石工を連れて現場に入った。 



 カンタベリ大聖堂の再建にあたって、ギヨーム・ド・サンスは、フランス建築の新たな
 建設技術をイギリスに持ち込んだ。
 しかし、不幸にも建設途中、梁から落下し、重傷を負う。
 いったんは、若い一人の行動的な知性的な修道士を後任にするが、
 石工たちが猛然と反対する。
 そこで、ギヨームはベッドの上から、作業の優先順をきちんを指示し、指揮を執ることになった。




<目次>
第1章 新たな世界
第2章 建築家
第3章 表現手段
第4章 建設現場
資料編 大聖堂の建設者たち





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最終更新日  2012.03.12 23:49:26
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