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カテゴリ:マンガ
【楽天ブックスならいつでも送料無料】竹と樹のマンガ文化論 [ 竹宮恵子 ] 竹宮惠子&内田樹「竹と樹のマンガ文化論」 (小学館新書) 2014年刊 日本のマンガ文化の特徴・・ トキワ荘伝説以来、10代の若者が、いきなり筆一本でプロデビューして 「マンガ家になる」というキャリアパスができた。 10代のクリエイターがマンガの世界に集まり、文化的創造の最先端に立った。 戦後一貫して、マンガ界は若い人を信頼して、それで成功してきている。 これだけのビッグビジネスでありながら、スーツを着たビジネスマンが切りまわし、 若い作家たちを消耗品扱いすることはなかった。 若い才能に対して寛容で、気前のいい態度をとるのが、マンガ界の伝統の一番良い ところだと思う。 締め切りに追われるマンガ家・・ 締め切りに追われる作家像ができたのは、 それは契約書がなかったため。 日本のマンガ界には契約書がない。 単行本を出す時に初めて、出版契約する。 だから、極端な話、原稿を落としても、罰せられることはない。 ≪雑誌に描く時に、契約書を作らない理由は何だろうと考えてみたのですけど、 やっぱり、あったら仕事はできないな、というのが結論だったんです。≫ 真っ白な所から作品を生み出すところを、契約書で縛ると、 もう生み出すものも生み出せなくなってしまう。 でも、契約書がなくても、作家たちは、律義に締め切りを守り続けている。 憑依系の人でないとマンガ家になれない・・ 日本の連載システムでは、毎週、読者からの人気投票でシビアに評価される。 いくら作家が遠大な構想を持っていても、人気がなければ、突然打ち切られる。 ≪だから描くほうも、いつ、どういうかたちで物語が終わるのか見通せないままに 描いている。≫ 10回で打ち切りになるかもしれないと思って描き出した漫画が、 できあがった大長編を読み返してみると、見事に伏線が張り巡らされている。 どうしてそんなことが可能になるかというと、 「マンガ家さんたちたちが寝ないで描いているから」 ≪ある種の「トランス状態」に入って描いているんです。 そういう時は何かが「降りてきて」いて、もうふだんの自分とは別人になっている。 何かに憑依されていないと、あれだけのペースで、あれだけの量を描けるわけがない。≫ 「マンガの神さま」に憑依されている。 日本のマンガはオープンソースだった・・ 描き手の発明は、誰が使ってもいい許容の中で成長してきた。 誰も、「真似するな」とは言わない。 マンガ家は、技術についてコピーライトを主張しない。 だから、新しい表現が発表されると、どんどん塗り重ねていって、 さらにバージョンアップされていく。「集合知」の世界になっている。 <目次> 第1章 急激な「発展力」の秘密 第2章 発明を上書きする「集合知の力」 第3章 読者をわしづかみにする「作品力」 第4章 マンガ家の不屈の「精神力」 第5章 複雑で深い描写のための「表現力」 第6章 何でもマンガで学べてしまう「教育力」 第7章 日本人特有の「マンガ脳の力」 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.03.06 19:28:20
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