カテゴリ:哲学・思想
日本の問題を哲学で解決する12章 [ 小川仁志 ] 小川仁志「日本の問題を哲学で解決する12章」(星海社新書) 2012年刊 ○どうなる民主主義! 現在、なぜ民主主義が機能していないのか? それは、政治が経済をコントロールできていないからであり、 共通善が喪失しているから。 では、そうした要因が解消され、人民による自己統治がシステムとして整ったら、 私たちは自分で決めるようになるのだろうか? たぶん、日本国民は、自分で決めようとはしない。 1つは、「自分で決めるという意識がない」から。 もう1つは、「決める訓練が足りない」から。 自分決めるという意識を持つためには、「無関心の連鎖」を止めることが必要になる。 自分で決める大切さに気づきながら、「フリーライダー(ただ乗り)」になる 「合理的無知」を解消するためにすること。 それは、政治を行う単位をできるだけ小さくしていくことが必要になる。 ○どうなる市場経済! ≪市場第一主義というのは、相手のこと、他者のことなど意にも介さない発想です。 なにしろ市場で儲けることが第一目的、いや唯一の目的なのですから。≫ それを変えるためには、 たとえば、 私たちの行為はすべて誰かを傷つけるもので、何をするにしても責任を感じ、 あらゆる行為の犠牲に対して償いをしなければならない、と考えてみる。 物の売り買いをする時は、その行為が誰かを傷つけていないか、ほんの少しだけ 立ち止まって考えてみる。 そんな前提が人々の間に共有されれば、公正を欠いたり、腐敗を生み出すような取引 はなくなるはずです。 ・・「はずです」というものの、「ウシジマくん」見た後では、ちょっと説得力に欠けます(>_<) ○どうなる道州制! 本来、 ≪市民社会は非強制的な組織だからこそ、逆に強制を強いる国家への異議申し立ての契機 でもあるべきものなのです。≫ ヘーゲルの弁証法によれば、市民社会は、国家へのアンチテーゼであった。 だから、 ≪基礎自治体の首長の強いリーダーシップのもと、市民が主体的に地域社会を盛り上げていかない限り、 道州制は絵に描いた餅に終わる。≫ 世の中の問題を、単に他人事で済ませるのではなく、 自分事として捉えること、私と社会をいかにつなぐかを考えるのが「公共哲学」の 基本的考え方である。 <目次> どうなる民主主義!―やっぱり気になる橋下徹 どうする安全保障!―いつまでアメリカに守られるつもり? どうなる市場経済!―格差や就職難は誰のせい? どうする税と社会保障!―「弱者のための消費増税」は正しい? どうする原発!―停電は困る。でも放射能はもっと困る どうなるTPP!―国内産業の保護かグローバル化か どうする政治制度!―コロコロ変わる総理大臣 どうなる道州制!―都道府県はもういらない? どうなるネット時代の政治!―インターネットで変わる世界 どうする同性婚!―結婚は多数決で決めるもの? どうする裁判員制度と死刑!―私たちが人の死を決めていいのか? どうなる日本の教育!―詰め込み教育か、ゆとり教育か お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016.10.23 20:07:45
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