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テーマ:最近観た映画。(38852)
カテゴリ:映画
今回見た映画はエリザベス・テイラー主演の「クレオパトラ」。
ハリウッド黄金期を象徴する映画で、動員された出演者およびエキストラの数22万3000人とスケールは壮大だったが、ロケ場は変わる、当のテイラーがジフテリアを発症して撮影が遅れる、撮影にこぎつけたと思ったら当初監督だったルーベン・マムーリアンをはじめとして、重要な配役が変更になる(当初シーザー役はピーター・フィンチ、アントニー役はスティーヴン・ボイドで撮影開始)という不手際にも見舞われ、その度にシーンの撮り直しを強いられた。テイラーとアントニウス役のリチャード・バートンとの不倫スキャンダル発覚、最初の製作費300万ドルに対し最終的な製作費4400万ドル(現在の貨幣価値に換算すると約3億4000万ドル=約380億円)に膨れ上がったため、「史上空前の無駄遣い」「史上最大の失敗作」と皮肉られた。 北米興行収益でトップを記録する4800万ドルのヒットとなったものの、20世紀フォックスの取り分は製作費4400万ドルの半分強2600万ドルに過ぎず、20世紀フォックスは倒産寸前に追い込まれたという問題作。(後でFOXは「サウンド・オブ・ミュージック」がヒットしたので倒産寸前から持ち直した) 一応オスカーの撮影・美術・衣装・視覚効果賞を取った。 本作は当初『シーザーとクレオパトラ』と『アントニーとクレオパトラ』の前編後編2本立てで計6時間という構想だったが編集に次ぐ編集でプレミア上映版は4時間5分、一般公開版は3時間14分に短縮されている 「十戒」では紅海が真っ二つになるシーン、「ベン・ハー」では戦車レースが山場なんだが、本作ではそんな山場はない。「史上空前の無駄遣い」と揶揄されただけあって話はつまらない。が、大勢のエキストラを使ったローマ凱旋のシーン、衣装の豪華さは「十戒」「ベン・ハー」に負けていない。大作主義だったころのハリウッド映画というのは判る。 ロンドンでの撮影に入るぞって所でテイラーがジフテリアを発症し、呼吸困難に陥ったため気道を確保するための手術を行ったため喉元に切開跡が残ってしまった。作中テイラーが仰々しい首飾りをしているのは切開跡を隠すためだが、シーンによっては傷跡がみられるが、よーく凝らして見ると傷跡がみられますね。 <裏話> ・クレオパトラ役の選定に際し、国内の映画館主にエリザベス・テイラーかオードリー・ヘプバーンのどちらがふさわしいか、という調査が行なわれた。結果はテイラーの圧勝だった。ただし当初監督として起用されたマムーリアンは黒人女優のドロシー・ダンドリッジをクレオパトラ役に強く推していたといわれる。 ・エリザベス・テイラーの出演料100万ドルは当時史上最高額として話題になったが、のちにテイラーはなぜ本作への出演を引き受けたのかという問いに対して、「だって100万ドルなんていう馬鹿げた出演料を提示してくるんですもの、それを蹴るような馬鹿げたことをする私ではないわ」と言い放っている。しかも撮影の遅延やテイラーの病気療養などに支払われた保険金、撮影に使用された70mmトッド-AO方式からの権利金の一部(同社を設立したのは飛行機事故で死亡したテイラーの前夫マイケル・トッド)、再使用料など諸々の収入がこれに加算され、テイラーは本作で合計で700万ドル(現貨換算で約4700万ドル)近い巨額を稼いでいる。完成後初めての試写会でエリザベスは上映が始まって20分後、トイレに走り嘔吐したそうだ。あとで「撮影に2年以上もかけて出来上がったのがあんなつまらない映画だった」と言った ・監督のマンキーウィッツは、本作を自身の代表作とするべくシナリオの製作に没頭し、書き上がった順から撮影を行った。これは撮影効率の点からは大きなマイナスであり、未使用のセットや小道具、待機したままの役者を多く生み出すなど膨大な予算超過の一因になった。それだけに撮影後に様々な横槍の入った公開版に対する失望は大きく、後にこの映画について「完全に歪められたもの。私が意図したもののパロディになってしまった」と語っている。 クレオパトラ 【Blu-ray】 USED【送料無料】クレオパトラ [DVD] [DVD] お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Jul 30, 2019 03:26:36 PM
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