テーマ:海外生活(7772)
カテゴリ:フライブルク
フライブルクの名所と名づけてしまいましたが、本当は、有名な所というよりも、個人的にお薦めの場所をという意味です。
今回は「眺めの美しいホテル」。 実は昨日、またしてもバゲットを焼こうと思って、生地をしこみました。 ところが、一次発酵が1時間たったところで、 「お天気がいいことだし。晩秋の景色を楽しむ最後のチャンス。出かけちゃおう!」と急遽、予定を変更。ふくらみかかった生地はボールに入れてふたをして、冷蔵庫に入れて、出かけてしまいました。 市の中心の北西隣にヘルデルン(Herdern)という高級住宅地があります。邸宅と呼ぶにふさわしい家がならんでいるところ。二十五年前、フライブルクに来たての頃に、この地区にある古い邸宅のワンフロアーに三人のドイツ人学生とともに同居したことがある、なつかしい場所。 この住宅地は平地から山(丘)の斜面の中腹まで続いていて、緑豊かで閑静です。 きれいなお家に感心しながら、丘の斜面をテクテクと登っていくと、 「パノラマ・ホテル」にたどりつきます。 クリックしていただければ、見ての通り、外観はドイツ人が「醜い建物」と呼ぶ典型的なコンクリートの無粋な建物。 でも屋内は、これもHPの画像で見てもわかるように、まあまあエレガントな高級ホテルです。 町の真ん中から歩くと30分くらいかかってしまうので、車なしでは地の利が悪い場所なのですが、美しい家並みや森を眺めながらの散歩だと思えば、歩くのも楽しいでしょう。 このホテルのレストランのテラスから見えるフライブルクの町やその向こうに見える山や森の景色はすばらしい。 今は秋なので、ちょっと光の加減がさえませんが、春や夏は鮮やかな緑の濃淡や様々な花に彩られた、感動的な眺めが楽しめます。 テラスでコーヒー・プラムのケーキ(高級ホテルにしては街中より安いくらい)をいただきながら、晩秋の日差しをたっぷり楽しみました。外気が13度くらいなのに、お客はみなテラスにすわっていました。ドイツ人は本当に日向が好きです。 ホテルの人によると、クリスマスイブにはバイキングディナーがあるそう。鹿・ウサギ・ラム・魚料理など、なんでもありのビュッフェのようですが、一人前79ユーロ(1万円以上)というお値段が・・・。 クリスマスイブは家庭で祝う、という習慣のせいか、イヴに開いているレストランを探すのはかなりたいへん。ホテルのレストランぐらいしか開いていないので、どこも満杯です。「今年はここにしようかな。でもそうなったら二日前から絶食しとかなきゃ、一万円の元とれないよ」 日が暮れたので、ちょうど週末にメッセ会場で開かれている「Plaza Culinaria」という、いわばグルメ・メッセに出かけてみました。 会場は人でいっぱい。 ドイツのほかフランス、イタリア、スイスその他の国のワイン、ハム、チーズ、チョコレート、コーヒー、オリーブ油、酢などの食品や食材を売るブース、市内や近郊のレストランの出店、スターシェフなどの料理実演や講演会などがぎっしり詰まったメッセです。注目したものといえば 1.ゴルジア(旧ソ連圏の、黒海に面した国)産のワイン。イタリアワインの試飲をしているときに、ほかのお客に「絶対においしい」と薦められ、二時間も探してやっと見つけた小さなブース。こくもブーケもあって、そんじょそこらのボルドーワインなどよりずっとおいしいのに、値段はボルドーより格安。 2.私が唯一買ったのはスイスのアッペンツェラーチーズ。切ってくれた塊が10ユーロと言われ、重さを問いもせずに払ったのですが、家に帰って計ったら、9ユーロ分しかなかったのは、騙されたようでくやしい。 でも味は、別に試食したフランスはアルザスの各種チーズやスイスのグリエールよりも、私の好みに合っていました。 3.Keikoという日本茶メーカーのブース。コーヒー豆のブースは多いのに、紅茶のブースはほとんど見当たらない中にあって、日本茶は目立ちました。 ドイツ人が「ケイコ」をドイツ読みして「カイコ」というのが気になって、一々「ケイコよー」と言ってしまいました。この会社(独日の会社)の社長の奥さんの名前が由来だそうですから、ケイコが正しいのです。 「ケイコ」は鹿児島の「下堂園」が生産する自然栽培のお茶だそうです。 様々な等級の煎茶、茎茶、番茶、ほうじ茶を、ドイツ人の親切でおもしろい女性が日本茶の説明をしながら、試飲をさせてくれていました。お湯も日本製の魔法瓶を使ってるのがおもしろい。そういえば、日本のような魔法瓶てこっちにはないんだっけ。 4.フライブルク近郊の農家のリンゴジュース。リンゴをその場でプレスしてくれるジュースは、昔、風邪を引くと母がリンゴをすって、ガーゼでしぼってくれたジュースと同じ味。 5.シュタイナーの有機農法で栽培する農業「デメター」の会員農家がつくった赤ワイン。以前はエコワインというと今ひとつ味が、と言われていたのですが、どうしてなかなか、ちょっとしたフランスの赤ワイン以上の質の商品があることがわかりました。 エコワインの市場が大きくなりつつあるのはうれしいことです。 6.このメッセで私が食べた唯一の料理は、やわらかく茹でた牛肉にホースラディッシュのあっさりしたソースをかけ、ジャガイモとクランベリーソースを添えたもの(温かい料理です。念のため)。ソースにこってりしたクリームが入っていないのに、味がしっかりしていて、ふだん一人前を食べきれない私でも、すっかり平らげることができました。 このグルメメッセで驚いたのは、決して値段も安くないものばかりが出されているのに、夜の11時まで人々がぎっしり詰め掛け、みなさんどんどん食べたり飲んだり、買ったりしていたこと。銀行危機、景気悪化は本当?と問いたくなるほど。 でも、多くの人が愚痴っていました。 「最近は試食させてくれるブースがほとんどなくなった。前は試食だけでお腹がいっぱいになったのに」と。 そういえば、ワインやジュースの試飲はかなり気前がよいけれど、試食できたのはパンのかけらに載せたペーストぐらいでした。 メッセから夜中に戻ってきたので、もう眠くて、バゲット生地は冷蔵庫に預けっぱなし。まる一日をここで過ごしてもらいました。 今日になって、生地を取り出すと、すっかり膨れていました。 パンチ・ベンチ・成形・二次発酵(短めに)してから、工具用のカッターナイフで深めにクープを入れました。 スチームオーブンに予熱の段階でスチームを出させておいてから、いったんスチームを切り、最初の10分の焼きは熱風だけで、残りの15分はふたたびスチームを入れて焼きました。 その結果: 深くクープを入れたのが効いたのか(焼く前からクープが開いてしまった)、スチームなしの焼きが効いたのか、やっと、これまで開けられなかったクープが開きました(開きすぎの感がないでもない)。 ただし、開いたクープの中から盛り上がってくるような形を得ることはできませんでした。まだまだ修行が足りません。 気泡はまあまあで、どちらかというとモチモチ感があります。 冷蔵庫に長く置いたせいかもしれません。 いずれにしろ、緊急時に生地を冷蔵庫で24時間も過ごさせても、支障はないということがわかっただけでも、今回の経験は貴重。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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