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テーマ:日々自然観察(9987)
カテゴリ:植物礼賛
私の住む一帯には、古くからの名残りか、宅地化された跡に残されたほんの小さな「林」にもアカマツが結構残っています。
ただ、酸性雨の問題が取り沙汰されたあたりと、過度に林の下草刈りを行なうようになった頃から、アカマツが立ち枯れるのが顕著になってきました。 専門的な知識など持合わせていませんでしたので、ただただ見守るばかりでした。 原因についてはいろいろと囁かれていましたが、元気の無い、あるいは既に枯れてしまったアカマツを外側から見ても、そのことについては分からずじまいでした。 そして、つい最近のことですが、アカマツが伐られる場面に遭遇し、切り屑を入手することが出来ました。 その切り屑を観察して偶然見つけた虫が、写真に写っている何かの幼虫です。 カミキリムシの幼虫か何かだとは思いますが、詳細は不明。 この虫のような、松を食い荒らす虫を総称して『松くい虫』と呼ぶそうです。 この写真を見ていただければ、その幼虫が食い荒らした様子が手に取るようにお分かりになると思います。 実際には、溝の中に幼虫がかじった後に出た木屑や、排泄物の類が詰まっていましたが、見やすくするために取り除いてあります。 写真に写された面は樹皮の内側の部分で、この段階では、食痕は樹幹の奥深くまでは届いていませんでしたので、柔らかい部分だけを食害しただけだったようです。 ただこの時点で、表面化した問題があったからこそ伐採した訳で、理由を尋ねておけば良かったと今更ながらに思っています。 この写真を見て、私の書いた内容をここまで読んでいただいただけでは、 この虫が松を枯らした張本人に見えてしまうのですが、実はそうではないようです。 松を枯らす張本人は、この虫が媒介するマツノザイセンチュウと呼ばれる線虫のようです。 そして、その線虫の出す化学物質が直接原因で松枯れが起きてしまうのだそうです。 ただ、こうした被害が顕著になったのはここ最近のことで、 里山が人の生活に馴染んでいた頃には、あまり見られなかった現象ではないのでしょうか。 マツタケが生えなくなったのは、 里山を手入れせずに放置したことが原因のひとつとされています。 そのことと同様に、松が病気に抗えずに枯れてしまうのは、 利用するために人が管理していた里山が、 身勝手な理由で放置したために起きた、いわば必然の現象なのでしょう。 本来なら、木によって我々人間も守られてきたはずの立場でしたが、 今や、その彼らを「保護」しようと躍起になっているようです (これも、その人が立場上そのように宣言しているだけで、言葉にしただけでは形にはなりません)。 「守ろう」とはおこがましい限りで、ゆえに私は、ただ見守るばかりです。 次世代の若木までが刈り取られてしまう現状で、 荒れた森林は、さながら「傷の癒えない身体」に思えてきます。 (髪の毛も、毛根が育たないと生えない訳ですから、自然環境も同様でしょう。) ブログランキングに参加しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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