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sasama_tea

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2008.02.18
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カテゴリ:植物礼賛

 キンランの花
雑木林の中の暗い場所であってもひと際輝く黄色(金
色?)の花を咲かせるのはキンラン金蘭)です。
個体によっては気温の上昇とともに花弁を外側に開く
ものもありますが、基本的には開ききることのない遠慮
がちな花を咲かせています。

おそらく大部分の方は気づいていらっしゃらないかと
思いますが、キンランの花には独特の甘酸っぱい微香
が漂っています。
時にその芳香が少し強いものもありまして、そのような
株を探すことも楽しみでもあります。

 さて、ラン科植物の中には美しい花を咲かせる種類も
少なからず、その希少性からも人々の心を惑わせ続け
ています。
・・・が、自然の状態に原種を残しておくことも重要です
から、接する側がある程度の知識を持っていなければ
ならないと考え、以下にランの特徴のひとつを書いて
みます。

では、ランという植物の生態についてです。

趣味で栽培していても、ランの種子をご覧になったこと
がある方もあまりいらっしゃらないのではないでしょうか。
ランは現在も進化し続けている植物といわれているの
ですが、その種子の構造はじつに単純です。
他の植物では当たり前の子葉や胚乳が存在せず
種皮が存在するのみです。

ランの種子はホコリのように小さいので、その果実には
万単位の種子が含まれています。
ホコリのごとく小さな種子は、その小ささと軽さを武器に
して容易に風に乗って遠くへ散布されますが、発芽に
必要な胚乳などを持たないため、その大部分は発芽の
機会を得ることなくその役目を終えてしまうのがふつうの
ようです。

ではそのランの種子、どのように発芽するのでしょう?

胚乳を持たないそのハンデを補うため、ラン菌と呼ばれる
カビやキノコの仲間を利用するのです。
ホコリのような種子はまず水分を含んで膨張します。
その後、運よくラン菌に出会えれば、そのラン菌を種子の
内部で養い、そのラン菌の一部を栄養として取り込んで
発芽へと至るのです。

さらに後は、体の一部分にラン菌を宿したまま生長を続け
ます。
種類によってラン菌への依存度が異なるため、人の手で
栽培することが困難な種類も相当数存在しています。
そのため、ランの種子を栽培下において高確率で発芽
させようとするときには、ラン菌への遭遇確率を高める
目的で、ランを栽培している鉢の中に種子をまくと上手く
いくことがあります。
腐生ランと呼ばれる、ラン菌と完全な共生生活を送る種類
はラン菌に依存しているため葉緑素を持たないことがふつうです。

キンラン
キンラン posted by (C)sasama_tea

キンランも栽培困難種に属し、一般に山野草として販売
されることはありません。
通常ランの根は太く、葉のみならず、根は葉のように呼吸
しています。
そのため、鉢植えにする場合には隙間ができるほどの
大きめの粒の用土で植えつけることになります。
ちなみに、クモラン(蜘蛛蘭)のように、葉を持たない代わりに
根に葉緑素を持ち、根で光合成を行なうような種類もあります
。)

話を元に戻しますが、キンランはラン菌への依存度が高く、
人がその生活環境をうまく作れないために栽培も困難に
なっているようです。
土を掘ってキンランの根の状態を観察すれば、シュンラン
などのような栽培容易な種類に比べるとその根はかなり
貧弱で、栄養を土から吸い上げる能力は低いように見え
ます。
つまり、自活できない分をラン菌に依存しているのでしょう。

ただ、人の手で栽培するのが困難だというだけで、自然界
では実生もたくさん観察できます。
場所によっては群生していることもありますし、本来の生息
地での性質自体は強健なようです。

キンラン
キンラン posted by (C)sasama_tea

最後になりますが、今回このような説明中心で構成した
理由は、キンランのような栽培困難種も販売されたり、
山から平気で持ち帰るような人たちが多いということ
への注意喚起を込めたかったからです。
ただでさえ個体数が少なくなってきているというのに、
もの珍しさだけでは手を出して欲しくはないのです。

私は洋蘭と、ある野性ランを栽培しながら、その特徴を
理解するようにしてきました。
長い年月をかけて、ようやくその性質の片鱗を理解できる
ようになりましたが、今でも分からないことばかりですし、
栽培に失敗して悲しい気持ちになることも多いのです。

結論。
植物について知識がなく、栽培に自信のない者は無闇に
手を出してはいけない、ということ。
まずすべきは、鉢の中に閉じ込めて花を観賞しようという
ことではなく、山や野原でつぶさに観察し、その全てを
理解しようとすることですね。

それからでも遅くはありません。
植物は基本的に逃げませんから。
(絶滅しなければ・・・ですが)

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楽天市場にもありましたが、栽培技術に自信のない方は
手出し無用にお願いします。
このお店、上記のような内容の説明を一切しておりません
でした。

また、『ラン科植物の種子発芽過程(中央学院高等学校)』
というページにランの種子の発芽過程が画像つきで説明され
ていましたので、興味がありましたらそちらも覗いてみては
いかがでしょうか?
とりあえず直リンは避けます。
 http://www.chuogakuin-h.ed.jp/bio/hatuga.htm






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最終更新日  2008.02.20 01:52:52
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