テーマ:通訳ガイド試験(38)
カテゴリ:語学・資格・学び直し
そんなこんなで、コロナ拡大が続く中でしたが、試験は予定通り12月中旬に行われました。
受験会場は、吉祥寺にある成蹊大学。JR吉祥寺からはバスで10分ほどです。例年、地元三軒茶屋にある日本大学や昭和女子大でも行われていたのですが、今回はコロナの関係で会場使用がNGだったのかもしれません。 早めに到着して、近所の喫茶店で最後の悪あがきをしようと思ったのですが、正門の近辺には私が想像していたようなカフェや喫茶店がなく、結局イタリアンレストランに長居することになってしまいました。注文したパスタにほとんど口をつけなかったので、店のスタッフが不審そうな顔をしていました。スミマセン、食欲が湧かなかったんです。 集合時間は14:30。相変わらずのものものしさに加えて、今回はさらに「マウスシールド」の装着が義務付けられました。麻生さんがよく国会答弁で使っていた、口のところだけをカバーする透明のアクリルカバーです。ほとんど効果がないと言われているアレです。 面接員はネイティブと日本人女性の2名。日本人女性は若くて快活そうな人でしたが、ネイティブの男性は大人しそうな白人で、小声で早口、マスクをしたままボソボソとしゃべるため、ひどく聞き取りずらくて焦りました。 与えられたプレゼンテーションのテーマは、 ①敷金礼金 ②リモート飲み会 ③刺身のつま 「刺身」ではなく、「つま」というのがいやらしい。2分間もネタが続かなそうな気がして避けました。「敷金礼金」なら、日本の賃貸住宅事情と併せてプレゼンすることもできそうでしたが、ここは無難にESDICの直前講習で学習した「リモート飲み会」を選びました。結果的に、あれだけ日本の伝統や地理について学習したのにもかかわらず、プレゼン課題は2年続けて時事ネタとなりました。どちらもESDICさんの予想がズバリでした。 コロナの影響で非常事態宣言が出され、家にいる時間が増えた。人々はステイホームの状況に飽きて退屈した結果、PCゲームやおうちカフェにハマる人が出た。「どう森」が流行ったり、インスタでカフェ風にした部屋やスイーツなどの写真をアップするのが流行した。さらに、オンライン飲み会も行われるようになった。オンライン飲み会は、自分で飲み物と食事を用意しなければならないが、いつでも参加できるし、とくに遠方の人ともコミュニケーションがとれるというメリットがある。(というようなことを話したところで終了) 質疑応答内容 Q:自分はオンライン飲み会をやったことがないが、参加したことはあるか? →YES(※本当はない。) Q:何人ぐらいの会だったか? →10人程度 Q:酒をそれぞれ用意するというのはどんな感じなのか →自分たちの場合はあらかじめこのようなワインを持ち寄ろうと決めて持ち寄った。なぜなら、それはワインに興味がある人たちの会だったからだ。 →それはオンラインパーティというより、プロフェッショナルな会だね(笑)。 ※実際にはオンライン飲み会に参加したことはなかったのですが、NOと答えるとそこで会話が尽きそうなので、架空の内容を話しました。別に事実にこだわる必要はありませんから。 <外国語訳問題>(日本刀) 日本刀は、専門の技術を持った職人によって作られるものであり、有形文化財として登録されることもあります。刀は武士の魂とされ、江戸時代までは武家社会の象徴でした。現在では、芸術品として日本国内だけではなく世界の人からも人気が高いです。 <シチュエーション> お客様が日本刀を買って帰りたいと言っています。あなたは通訳案内士としてどう対応しますか? A:日本刀には私も興味がある。虎ノ門にいい店があるので紹介できる。ただし、日本刀を持ち帰るには事前に文化庁に登録が必要。それについては必要なら私が代行できる。どうしますか? →ここから先のやりとりがさらに早口でもごもごと言われて、聞き取れず。何度か聞き返したところ、レプリカで構わないとのことだったので、であれば、書類はいらないと答えました。 Q:レプリカはどこで買えるか?あまり高いのでなくて構わない。 →先に案内した店か、百貨店などでも買えるかもしれない。必要なら私がご一緒しますがどうしますか? と曖昧に返答。 →ここでまたベラベラと一気にまくしたてられたのですが、何を言っているのか聞き取れず。 ※あとで思い返すと、たとえば浅草の仲見世とか、そういった回答を期待していた様子。 Q:持ち帰りはどうするのか? →役所への登録は必要ないので、飛行機では預ければ問題ない。不安ならばサポートする。 →→そこからさらにいろいろ言われたが、またしても聞き取れず。 ※あとで思い返すと、梱包をどうするかとかそういうことを答えさせたかった模様。 というような感じで、とにかく、小声で早口でまくし立てる上に、マスクで声が籠っていて、最後の方は何を話しているのか、半分ぐらい聞き取れない有様でした。もちろん数回聞き直したのですが、あまり何度も何度も聞き返しずらく、なんとなく不完全燃焼のまま会話終了となってしまいました。 前年の不合格以来、それなりに頑張って勉強したつもりだったのが、通訳案内士としての知識やノウハウ以前に、基本的な会話力でつまづくという痛恨の結果に、我ながら茫然としました。 会場からの帰りは、バスにも乗らず、吉祥寺駅までトボトボ歩きましたが、なんとも惨めな気分でした。 ******************** 結果の発表は約2か月後の2月でした。ネットのHPで発表になるほか、官報にも掲載されるのですが、上記のような感触から、絶対に受かっていないだろうと思っていたので、当日は結果の確認すらしませんでした。 それだけに、翌日、合格通知を受け取ったときには、感慨ひとしおでした。 なぜ合格通知とわかったかといえば、合格証書が同封されているので、郵便物が「大きい」のです。前年受け取った不合格通知とは大違いでした。 さて、上記のような体たらくで、なぜ合格できたのでしょうか? 正直なところ、試験全体の出来は、20年度より、前年の19年度のほうがよかったと思います。いくつかの大きなミスをした以外、会話はスムーズに進みましたし、雰囲気よく終わることができましたから。 1点、違いを挙げるとすれば、今年度の試験では、ESDICのアドバイスに従って、とにかくゲストの役に立ちたい、そのためにできることならなんでもするという姿勢を前面に出したこと、これに尽きると思っています。 前年度の私は、流ちょうに答えられればそれで合格すると勘違いして、ガイドとしてのホスピタリティの部分の踏み込みが足りなかったのだろうな、と。 ESDICさんをヨイショするわけではありませんが、2次講座に2年通って、最後の最後で念を押された、上記のアドバイスがあってこその合格だったと思っています。 それにしても、プレゼンのテーマが「リモート飲み会」、質疑の場面にワインの話が出てくるあたり、期せずして少しはワインブログらしいオチになりました。笑 「全国通訳案内士」受験記~その1(受験のきっかけ) 「全国通訳案内士」受験記~その2(1次試験) 「全国通訳案内士」受験記〜その3(1次試験参考書など) 「全国通訳案内士」受験記〜その4(ハロー通訳アカデミーとESDIC) 「全国通訳案内士」受験記~その5(二次試験に向けて) 「全国通訳案内士」受験記~その6(二次試験用教本・参考書) 「全国通訳案内士」受験記〜その7(2次試験直前セミナー) 「全国通訳案内士」受験記~その8(2019年度2次試験→不合格) 「全国通訳案内士」受験記~その9(翌年受験の準備とコロナ) 「全国通訳案内士」受験記~その10(ESDIC2次ZOOM講座) 「全国通訳案内士」受験記~その11最終回(2020年度2次試験) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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