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『月刊弁護士ドットコム』の1月号を読んだら、伊藤塾の伊藤真先生が巻頭インタビューしてた。この感想を書こうかとも思ったけど、ちょい気分を変えて、司法試験法の予備校答練でいい点数を取るやり方でも書いていこうと思う。
司法試験法に合格するならばやはり答案を書いて添削してもらう必要があるので、僕は司法試験法予備校、辰已の答練を受けてた。通信教育なので、暇なときにやって、答案を郵送すればいいというお手軽なシステムだ。ここは、のちに添削のバイトもしたから、かなり詳しい。 辰已の答練はロースクール3年の春くらいから受けてた気がするけど、あんま点数が伸びなかった。たまにB評価で、基本的にCからD評価で色々と悩んだものだ。で、あるときローで憲法の受験指導してくれたOBから、「長々と二重の基準を書いてはダメだ。むしろ二重の基準を書くな。事実の抜き出しと、評価部分で点数がつくから」と言われたのである。 二重の基準を書くな、って相当恐いなぁ、と思いはしたものだ。だって、普通は書くだろうと。ものは試しと辰已の答練で、全く二重の基準を書かずに答案を出してみた。何回も答案書くチャンスはあるから、1回くらいダメでもいいや、と。が、これが、わりといい。このときはB評価取ったはず。もちろん、添削者のコメントには、「二重の基準を書け」と書いてある。しかし、点数は普段よりいい。 なぜか、と思い配点表を見てみてやっと納得した。二重の基準というか、規範部分の配点が2点くらいしかないのだ。辰已の特徴なのかは知らないが、この配点表はやたら細かくて、規範を書い2点、Aという事実を提示したら2点…とかなり細かく決まっている。 二重の基準はかなり軽視されてる傾向があり、配点はせいぜい2点から3点で、当てはめ部分に15点くらい。しかも、事実を1つ書き出すだけで3点貰える場合すらある。つまり、当てはめをしっかり書くと結果的に点が高くなるのである。 これはわりと驚きだった。当時の僕は、当てはめについては、最も使える事実を2〜3つ書けば、それ以外は書かなくてもいいと勝手に思っていた。が、辰已の評価基準はそうじゃない。大したことのない事実でも、書けば書くだけ点が入るようになっている。 のち、僕は辰已で添削のバイトもやることになるんだけど、辰已は配点表がかなり細かくなってて、あんま添削者の裁量がない。添削してて、「よく考え込んでいるなぁ」と思った答案でも配点表から外れるから低い点数をつけざるを得なかったこともあるし、その逆もあった。今考えると、僕の答案はまさに後者、誰もが論じる二重の基準を書き落としてて、法的三段論法の形取ってないにもかかわらず、配点の高いところを抑えているから点を低くできないという、添削者を困らせる答案になってたわけだ。 ここで、僕は勉強のやり方をガラリと変えた。辰已の答練で、読み込むところは解説でも、参考答案でもなく、配点表になった。点が大きいところは漏らさず、点の小さいところは書かないか、触れる程度でいい。 たとえば、行政法の答練の場合、ほぼ毎回論じられる処分性の有無という論点につき、一般的なケースだと辰已の場合は、定義に1点、当てはめに1点しか与えてなかったりする。(もちろん、処分性だけで10点以上のケースもあるだろうけど、そういう例外的なのは別格)。なら処分性は2行から3行でいいや、となる。結局、僕は何が大事で、何が大事じゃないのかが理解できてなかったから答案がうまく書けてなかったのだ。 これでやると、点数はぐんぐん伸びた。正月ころ、司法試験法の5か月前くらいの模試で余裕のA評価になってた。他の科目も辰已の配点表を見て研究したが、やはり当てはめを重視するようになった。 ところで、僕は年末の暇な時期、ロースクールの友だちに誘われて、伊藤塾の模試を1回だけ受けた。集団で受験すると安くなるし、付き合いというのもある。で、これが驚きのC評価だった。受験しながら思ったよ、「なんか問題の傾向が違う…」と。伊藤塾の配点表も見たけど、辰已ほどシステマチックじゃなかったような気がする。 そう、僕は辰已の出題傾向や問題作成者の意思を研究しすぎてしまったのだ。このやり方は、ストレートに他社の答練に通用しないし、肝心の司法試験で外す恐れすらある。ここで初めて「マズイ…」ということに気がついたが、もう遅い。 色々と悩んだものだが、伊藤塾の配点表や出題傾向を研究しようにもサンプルは模試の1個しかない。そもそも、ここで司法試験ではなくて伊藤塾の研究をする意味がない。司法試験の本番は出題の趣旨は出るものの、細かな配点表が見られないから、どこを重視し、どこを重視してないが分からないが、時間もないので、これまでの辰已のやり方を取りつつ、ちょい軌道修正して、そんでなんとか合格しちゃったから、辰已のやり方は間違ってなかったんだろう。 まとめると、予備校答練は配点表を見ながら勉強すれば点数は簡単に取れるようになる。予備校も色々と考えて答練してるので、これにもちろん意味はあるが、あくまで予備校対策にすぎないので、本番とは違うかもしれないというのは気をつけたほうがいいだろうね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.01.20 00:17:37
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