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カテゴリ:漫画
コロコロコミックの裏話を語る『コロコロコミック創刊伝説』だが,今回のテーマはいまも根強いミニ四駆である。
今回は豪華に1冊まるごとミニ四駆であう。これまでは1話完結だったり,4巻のビックリマンが比較的長かったが,1巻まるごとは初めて。表紙を見ても,ダッシュ四駆郎が何よりも大きく描かれており,コロコロのマスコットであるコロドラゴンが大きく描かれていた過去とは大きく違う。強い意気込み,これまでとは違う感をにじみ出ている・・・! さて,ざっと目次はこんな感じ。 コロコロ創刊伝説(5)【電子書籍】[ のむらしんぼ ] 第28話 「ジャンプ研究会」伝説 第29話 「ミニ四駆」開発伝説 第30話 「ダッシュ!! 四駆郎」爆走伝説 第31話 前ちゃんが語る「ヒットの理由」伝説 第32話 漫画家・徳田ザウルス伝説 タイトル見る限り,28話は「ジャンプ研究会伝説」となっていてミニ四駆と関係なさそうである。しかし内容的には,コロコロ編集部が週刊少年ジャンプに勝つべく研究し,その結果としてミニ四駆にたどり着くというのだ。 (5巻23頁。体験を重視するコロコロ編集部) それと合わせて語られるのが,コロコロでよく出てくる「ホビー」という言葉の定義づけである。なんでも,コロコロでは「おもちゃ」は「決して使わない言葉」になっているそうな・・・。そしてミニ四駆はおもちゃじゃない。ホビーなのだ,という。 ここでホビーというのは大筋で,「完成品を与えられるものではなく,自分の手で作り上げるオンリーワンのもの」と定義づけられている。 そして,ミニ四駆が大ヒットしたのは,おもちゃではなくて,自分の手で改造し,作り上げるからだというのだ・・・。 (5巻42頁。未完成であるがゆえの楽しさがある・・・) (5巻44頁,ホビーという言葉の誕生した瞬間である) 正直,僕は小学生のころからコロコロを読んでいたが,これは知らなかった・・・。 僕の世代はちょうど『爆走兄弟レッツ&ゴー!』が連載していた,まさに第2次ミニ四駆ブームのころ。 このころは,ハイパーヨーヨーだとかビーダマンが取り扱われていたが,まさに自分の手で改造していくことができるものだった。 厳密に言えば,たぶんこのホビーの定義からはずれるおもちゃもあるのだろうが,なんにせよ一つの思想が語られており,興味深い。 つーか,この「ホビーとは何か?」という,コロコロを語る上で大切なことが5巻まで語られてこなかったのか・・・と思うと逆にびっくりである。 これはアレかな,ミニ四駆を語るには長くなることに加え,著者の高い漫画力が必要になるが,のむらしんぼ先生が『ハゲ丸君』を描いていた全盛期の力を徐々に取り戻したからこそ描かれた・・・ということかな。 また,このほかにも『ダッシュ四駆郎』を描いていた漫画家の話だとか,ミニ四ファイターの話,どうしてミニ四駆が流行ったのか・・・。色々なことが語られているが,どれもこれも興味深い。 特に,徳田ザウルス先生の,「人が乗れないデザインはミニ四駆ではない」という熱いこだわりだ。読んでいると本当に,熱意とともに強いこだわりを感じる。 『コロコロ創刊伝説』の最大のおもしろさは,やはり実話であるところ。 きっと小学生の僕なら「つまらん」で終わっていたのだろうが,大人になると「こんな風に仕事すると成功するのか・・・」とか,「成功の影にこんな努力があったのだな・・・」とビジネス漫画として読んでしまうところもある。 なお,次の6巻はどうもハゲ丸君を描いていた,全盛期ののむらしんぼ先生を描くそうな。「漫画家はどれだけ儲かるのか」という,マネーの話もあるようだ。 ちびっ子は全く興味ないだろうが,大人はみんな興味がある話だな。楽しみよ。 コロコロ創刊伝説(5)【電子書籍】[ のむらしんぼ ] 過去感想 ・2019.4.16日4巻感想 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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