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カテゴリ:ラノベ
銀河英雄伝説,3巻も読んだので感想など書いていく。
銀河英雄伝説 3 (MAG Garden NOVELS)[本/雑誌] / 田中芳樹/著 この巻の見どころとしては,帝国側が要塞ごとワープさせるという力業でガイエスブルク要塞を移動させて来て,同盟側のイゼルローン要塞と対決するところ。 そうは言っても,帝国側の主人公であるラインハルトは内政の方に集中してて,同盟側の主人公たるヤン・ウェンリーは査問会に呼び出されてしまい,出番は終盤からになってしまうのだが。 見どころは,高校生時代の僕ならば突如ワープしてきたガイエスブルク要塞と,同盟側の戦いだ,と答えたのだろう。 ここはかなり見ごたえがあるところだ。要塞丸ごと移動,というアイディアは戦史に疎い僕だが,これまでの人類史上はないのかもしれない。ただ,この作戦は実行する前段階でロイエンタールが「大艦巨砲主義の焼き直し」と酷評していて,実際にヤン・ウェンリーに破られちゃうわけだけど。 なお,最終的に帝国のケンプはガイエスブルクをイゼルローンにぶつけるという奇策に打って出るわけだが,この展開,よくよく考えれば藤崎竜版の『封神演義』で崑崙山を金鰲島にぶつけるという展開があったな,と。いま,藤崎竜が『銀河英雄伝説』をコミカライズしているという点を見ると,もしや参考にしたのでは,と思ってしまう。 そして,大人になった僕の思う見どころは,ヤン・ウェンリーが査問会に呼び出されるところ。 背後に色々と陰謀があるわけだが,ヤン・ウェンリーの態度が悪いということで軍法会議めいたもので色々と責められるのだ。これに対し,ヤンは手厳しく,「自分は安全圏にいながら愛国心をあおり,国民を戦争に駆り立てる為政者」をこれでもかとこき下ろす。 僕ならば,速攻で査問会に媚びてしまうところだし,普通はそうするべきだ。だが,ヤンはそうしない。 1巻の,起立をしなかったことで憂国騎士団に狙われるあたりも好きなんだが,こういう,実際の人間ならば決してできないことをやってのけるところがヤンの魅力なのであるが,大人になってから読むと危うさも感じる。 さて,これも語る必要があるのだろうけど,ミッターマイヤーやロイエンタールの過去の掘り下げが行われた。 これまで帝国側はラインハルトとキルヒアイス以外は「名前と階級が出るだけ」で個性の強いおーべるシュタインを別にすれば,その他の提督たちはせいぜい「多少優遇されているモブキャラ」くらいの感覚だったのだが,徐々にキャラ付けが行われてきている。 構想段階だとキルヒアイスは序盤で退場するはずじゃなかったという話だけど,これは好評につき物語が長編化したためで,ミッターマイヤーたちの掘り下げは予定されていなかったのかも。 どうしても戦場での活躍だけ見せられても愛着はわかないが,ミッターマイヤーの愛妻家という面や,ロイエンタールの「母に目を抉られそうになった」というこういう掘り下げのおかげで魅力というかキャラに深みがでるわけだしね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2019.08.02 15:45:35
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