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2022.02.03
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カテゴリ:漫画
この間、『モンテ・クリスト伯爵』を元ネタにした『白髪鬼』を呼んだ影響だか、僕の中で『モンテ・クリスト伯爵』が静かなブームになっている。
色々と読み返している中、森山絵凪先生の漫画『モンテ・クリスト伯爵』の評判がわりといいので、買って読んでみた。


モンテ・クリスト伯爵【電子書籍】[ 森山絵凪 ]

いまさら、『モンテ・クリスト伯』のあらすじを説明する必要はあるまい。
無実の罪で投獄された男が14年かけて脱獄し、さらに9年の準備期間で大金持ちになり、次々と復讐をしていくという物語である。
ある意味で、チート級の財力・知力・精神力で復讐をしていく姿はいま流行の「なろう系」に近いように思う。数々のリライトが生産されまくっているところを見るについて、『モンテ・クリスト伯』の普遍的で強い人気を感じるところである。

さて、この漫画版であるが、原作に忠実に描いている。
正直、1ページ目をめくったところで少し意外だった。だって、岩波文庫で全7巻の大長編なのだから、ある程度省略をして、たとえば主人公が脱獄後から物語を始めるのかな、と思っていたからだ。
本作では、原作ではあくまで第2にヒロインだったエデという奴隷少女にかなり焦点を当てていると聞いていたから、「主人公の脱獄まででページを使って大丈夫かな?」と思ったものだ。
逆に、GONZOの巌窟王は主人公の投獄から脱獄までを大胆に省略し、後々その部分を回想などで語らせる手法をとっていた。


巌窟王 第2幕 月に朝日が昇るまで【動画配信】

具体的な漫画版の内容であるが、原作に忠実であるがゆえ、そこに意外性や驚きというのはあまりない。
しかし、原作を漫画化しただけではなくて、原作では第2のヒロインだったエデについて作者独自の味付けがされている。
彼女の初登場は4話目。そこから、主人公の伯爵のことが好きそうなオーラを出し始めるのが6話目くらいで、このあたりからエデのかわいらしさ、愛らしさが出てくる。

原作に戻るのだが、僕の中でエデという少女はとにかくよくわからない人物であった。
もともと、主人公のモンテ・クリスト伯爵ことエドモン・ダンテスは結婚式の日に逮捕され、脱獄してくればかつての婚約者・メルセデスは仇敵と結婚して子どもまで作っているという、女がらみで激しい悲しみを背負った人物である。
原作では、エドモン・ダンテスが脱獄してモンテ・クリスト伯爵と名前を変えたあたりで彼の心理描写がかなり少なくなるということもあって、彼の心情はその言動から察するしかないのだが、彼の中で最愛の人はかつての婚約者じゃなかったのかな、と思うのだ。
そういう意味で、人妻になろうが、母親になっていようが、第1のヒロインはメルセデスなのだろう。
そういえば、昔見た映画ではメルセデスと主人公は婚前交渉してて、生まれた子どもは托卵してたという衝撃の事実が中盤で明らかになり、復讐を遂げた主人公はメルセデスと結婚する・・・というのを見た記憶がある。逆に、托卵されている仇敵の方がかわいそうな気持ちすら生まれたわ。

そういうわけだから、たぶん、エデは第2のヒロインでしかなかったはずだ。
もっと言えば、エデは主人公が復讐を遂げるための道具でしかなかったはずだ。
そんな彼女が紆余曲折の末、主人公と結ばれて大団円というのが原作であるが、いかにも唐突で、第1のヒロインが途中退場したために繰り上げ当選したような気がしないでもなかった。
僕の中でこの展開はかねてから疑問であって、作者はもともとエデを最終的なヒロインとして設計したのか、新聞連載の途中でプロットに変更があったのか。これが分からない。
正直言って、エデについては最大の見せ場が1つ用意されているが、それ以外はさほど活躍しないし、主人公と情を交わすシーンはなかった。

一方で、本作はちょいちょいと、エデと主人公のとりとめない会話シーンだとか、心情を独白するシーンなんかが描かれている。
あと、なによりエデがかわいいね。もともと漫画家の森山絵凪先生の絵柄がすごいセクシー。
もしかして森山先生はダンディなオジサマと美少女の取り合わせが好きなのかもしれない。
話は変わるけれど、森山絵凪先生の別の作品で、『この愛は、異端』というのがある。この作品も『モンテ・クリスト伯爵』も年の差カップルだったけれど、『この愛は、異端』もかなりの年のカップルだ。

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この愛は、異端。 1【電子書籍】[ 森山絵凪 ]​​

後書きを読むと、漫画制作に詰まっていた著者が担当に「子どもの頃に一番好きだった本は?」と聞かれて『モンテ・クリスト伯爵』と即答したとのことである。活字は苦手なのに、何度も読み返したとか・・・。そうして連載デビューをしたのが漫画版の『モンテ・クリスト伯爵』だという。
そう聞いてから、2作目の連載作『この愛は、異端』を思い出すと、「保護者でダンディな悪魔のオジサマ」というのはモンテ・クリスト伯爵に似通ったところもある。
もしや、森山先生も幼き頃に通読した『モンテ・クリスト伯爵』に性癖を歪められたのかもしれない(笑)。
モンテ・クリスト伯爵ことエドモン・ダンテスについては、若い頃より中年期以降の方が圧倒的に魅力的だもん。仕方ないね。


モンテ・クリスト伯爵【電子書籍】[ 森山絵凪 ]





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最終更新日  2022.02.03 12:13:36
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