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テーマ:海外生活(7775)
カテゴリ:タコ サラリーマン期
サラリーマン時代の話だ。
会社1年先輩のKさんと六本木に繰り出した。馴染みのクラブマキシムを出たときは1時近くになっていた。「タコ君、もう一軒行こう。」大学時代、レスリングをやっていたKさんは酒豪で、トイレで吐きながら出てきても飲み続けのを特技としていた人で、飲み始めると帰ると絶対に言わない人だった。所帯をもっていたが、独身のように付き合いがいい。 2人で六本木を歩いていると、「おお。」といってKさんが、ちょっと粋な女性を呼び止めてなにやら話している。「タコ君、今晩、この人の家に泊めてもらいな。俺は帰るから。」別なクラブで働いているという40がらみの艶っぽい女性、店がはねて青山のアパートに帰るところだった。そう言ってKさんはさっさと行ってしまった。 「Kさんも困ったもんね。仕方ないわね、あんたいくつ。」 「29です。」 私は酔っていたので、アパートに着くやいなや、彼女の隣の部屋で布団を敷いてもらいもぐりこんだ。まったく知らない人のアパート。しかも、女性一人のアパートだ。なんだか、甘ったるい匂いのする部屋だった。すごく、いい気持ちで布団に包まった。彼女はお風呂に入っているようだった。胸騒ぎがしだしてなんだか寝付かれない。 「もう、寝た?」ドキッとした。しばらくして隣の部屋から声がした。目がパッチリと開いてしまった。すべてが見えるような気もする。ドキドキする。何なのだろう? 「あのね、もしかしたら、私の彼氏が来るかもしれないのよね。ただ、泊めてあげるんだから、変なこと考えちゃだめよ。もし、来たら、ちゃんと説明するんだからね。」 えっ!もしかしたら、あっち系の人だったりしないか、などと考え始めたらもう寝られない。戦慄が走り、酔いも急激に冷める。何なんだこれは!こういう時は、とんでもないことまで想像してしまうもので、元気のあったあっちこっちが縮みあがってしまった。ほとんど、一睡もできないで、私は朝6時頃そのアパートを出た。 タクシー券を束で持っていた私にKさんが、どうして彼女の家に泊まれと言ったのかは未だに謎だ。 それからは、たとえ相手が金髪であっても、知らない人の家には絶対に泊まらないことにしている。 ↑ ↑ ↑ ↑ 「なるほど」、と思えた時だけ、この緑の箱をぶっ叩いてください。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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