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タコ社長,オーストラリア・メルボルンのスローライフな日々

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2009年03月02日
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テーマ:海外生活(7779)
カテゴリ:問題提起
自分が本を出して、本の扱いが変わった。

私は、本を買うとまずオビを捨てる。そしてカバーも捨てる。本には線を引いたり書き込んだりする。曲げる、折る。トイレでも読む。活字を大切にするが、本自体はもうメチャクチャにしている。

オランダ系の連れ合いは、この方法が気に入らない。綺麗に読んで線など絶対に引かない。連れ合いは実は本をほとんど買わない。図書館で借りたり、友達に借りたりする。だから当然綺麗に読む。時々私は、本の役に立つところを破って後は捨てたりもする。

本を出して、オビも表紙も絶対に捨てない本に初めてであった。これからは、本自体をもう少し大切に扱おうと思う。

「タコさん、本というのは大体出して3週間から一ヶ月するとどさっと返品が出版社にされるんです。考えてもみてください。大体、日本では新刊本が一日に200から300冊あるんですよ。それが、取次といわれる会社から全国の本屋さんに配本されるんです。次から次へと、嫌になるほどダンボールで届くんです。」

本を出したことで、出版界のことが少しずつ分かるようになってきた。小さな本屋にそんなに本が来たら、売れない本はどんどんと返品しないと本を置くスペース、在庫のスペースもなくなる。容赦なく返品になるということだ。確かに、自分が本屋だったらそうだろう。中には、全くダンボールを開けないで、そのまま返品になるものも少なくないという。

ここからが本題。出版社は在庫になっている本は資産となりそれに税金がかかるという。
そこで処分しないとならない。そんな本は、私が輸送費を負担して全て欲しいところだ。自分の本は、一冊も無駄にはしたくない。

ところが、そうはいかないという。在庫を無税にするためには資産価値を無くさないとならない。捨てたり流してはいけないのだそうだ。全ての在庫は、「裁断処分」されるという。
一冊残らず無残に切り刻まれるというのだ。まるで、自分の子どもがギロチンにかけられるようなものだ。

本を出して、本を大切にすることを覚えた。そして、本を出すことはごく一部のベストセラーを除いて、悲しいことでもあることを知った。

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Last updated  2009年03月02日 20時27分07秒
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