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テーマ:国際恋愛(198)
カテゴリ:オランダ系の連れ合い
「私は、わざわざ気に入った靴をドイツにまで買いに行くくらいなんです。」
日本でお会いしたある日本人の男性が言われた。それから、いろいろなドイツの靴製造メーカーの名前を挙げておられたが、それらの名前は右から左に抜けていった。普段の靴も 5,6万とかで買っているらしい。そして、もし気に入らないと、いくらであろうと即捨てるとのこと。私は、日本ではイトーヨーカドーとかダイエーなどの特売で靴を買うのが常。100円ショップで特価で靴を扱うようになったら、前の晩から開店を待ってしまうようなことになり兼ねない。 「タコちゃん、靴には絶対にお金をかけて良いのを買ってね。父がいつもそう言うのよ。靴って、体の健康にすごく影響するんだって。」 サラリーマン時代、お付き合いさせていただいていて3年半で去られた亜由美がよくそう言っていた。男女交際は、その結果の善し悪しに拘わらずいろいろとためになることが多い。値段もさることながら、良い靴は体に優しいのだろう。 80年ほど前にパリに住んでいた金子光晴が、「ねむれ巴里」の中で、極貧のある芸術家崩れの日本人が靴を買う金がなく、足に黒く墨を塗って歩いていたと書いていた。外国へ出たはいいが、成功するのはそのごく一部の人たちだけだったのだろう。それにしても、海外移住者として身につまされる思いがする。健康の前に経済状況が立ちはだかる。 「まだ、履けるじゃない、どうして捨てるの?」 オランダ系の連れ合いは、物を絶対に捨てない人。靴なんかを捨てようとすると、いつもそう言われる。私は、5,6万とかの靴を買って即捨てようとしている訳ではない。安ものの靴のかかとが擦り減って、かかとがひび割れもう履けないから捨てようとしているのだ。足に良くない。 というわけで、我が家の物置にはこうして捨てられずにいる靴が山を成している。やはり、自分の経済状況を鑑みて、物は必要以上に大切にしないと、私はこの国ではやっていけない環境に身を置いているようだ。 毎回、果敢にこの緑の箱をクリックよろしくお願いいたします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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