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テーマ:国際恋愛(198)
カテゴリ:移住模索期
「タコさん、何ボーっとしてるんですか。ちゃんと、焼き鳥の串刺し続けてくださいね。」
ヘッドシェフでチーフの新川さんが言った。私より年下だが、プロのシェフ。私は、オーストラリアビザ狙いのにわか作りのキッチンハンド。 昔、私が勝手にメルボルンの青山・六本木と呼んでいたサウスヤラという所にあった日本食レストランで働いているとき、寿司シェフでチーフの新川さんが言った。 仕込みをしながらレストランに流れるラジオからの音楽に思わず手が止まってしまった。一ヶ月前にニュージーランドを旅行中にある宿舎で流れていた曲だった。 That’s what friends are for. http://www.youtube.com/watch?v=wTcHT4zpAGs 「タコ、どうしても行かないとならない所があるの。」 ニュージーランドをバックパックを背負って旅行しているとき、アメリカ人のリサと移動中のバスの中で知り合った。リサは30歳の消防士、ファイアーファイターで休みを利用して1人で南島を回っていた。背中まで素直に伸びた金髪を束ねて大きな笑顔を作りながらややハスキーボイスで話かけてきた素敵な女性だった。 いや、実は、布袋にいっぱいに詰まったニンジンをぼりぼりと音を立てながら食べているリサに思わず話かけようとしたのは私の方だった。しかし、目が合ったときに彼女のほうから「ハーイ」と挨拶してきたのだ。手にしていた分厚いペーパーバックはフロイトの本だった。1986年1月2日のことだった。バスは、クイーンズタウンから氷河の山、フランツジョセフを目指していた。 それからアーサーズパスを経由して、1月4日にクライストチャーチにたどり着くまで可也の時間を一緒に過ごした。旅行代を節約するという意味で、クライストチャーチの街の安ホテルの同じ部屋を予約した。夕食が終わって、ホテルの戻り、寝ようとしているときにホテルのラジオから、雑音の混じったThat’ what friends are for. が流れてきた。安ワインの酔いも手伝って、浮いた気持ちが勝手な夜の想像を大きく膨らませる。 夜の11時近くに一体リサはどこに行くというのだろうか。遅いから明日にしたらと言ってみても、しかし、リサはバックパックをすばやくまとめ、フロントにタクシーを一台予約してしまった。 「きっと電話するわ。また会いましょう。ニュージーが駄目なら、タコが住んでいるメルボルンに必ず行くわ。」 会ってまだ2日しか経っていないのに、ずっと一緒にいて恋心が一人歩きしてしまっていた。惚れ易さは、小学校の時からの折り紙つき。 「有難うタコ!」 そういいながら、リサはタクシーの窓を目いっぱい下げて、唇を丸くすぼめて手の平に近づけて投げキスをして消えていってしまった。しつこい私からやっと解放された喜びだったのだろうか、あの時にリサの笑顔が忘れられない。 That’s what friends are for. 毎回、果敢にこの緑の箱をクリックよろしくお願いいたします。 タコ社長の本業・オーストラリア留学 タコのツイッター Twitterブログパーツ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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(2013年07月08日 16時01分32秒)
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