2689793 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

One of my favorite things is ...

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
2019.10.26
XML
​​
 The New York Timesが、10月17日に「Netflixのオリジナルの映画とドラマの年間ベスト10」といった記事を出していますが、読者をミスリードするような内容になっています。データをよく見ると、Netflixの4半期決算の報告資料(Letter to Shareholders)の数字を拾ったもののようです。
 ​
​​Netflix’s Top 10 Original Movies and TV Shows, According to Netflix​(By John Koblin , Oct. 17, 2019)​


 Netflixが、「この1年間の視聴数のベスト10」の資料を、NYTimesに渡したものではなさそうです。

 「1年間のNetflixの映画とドラマの視聴数ベスト10」を導き出すための資料としては、最新のQ3の4半期決算の報告資料だけでなく、Q2やQ1、18年Q4の報告資料も利用されているようです。

 つまり、
The New York Timesの記者が、過去4回分の4半期決算報告資料で紹介されている視聴数のデータを集めて、ベスト10形式にした、ということのようです。

↓これは、18年Q4の決算報告資料です。映画「Bird Box」が最初の4週間で8000万超(over 80million)の視聴数であると記されています。



 それぞれの4半期決算の報告資料で示されている視聴数は、すべて「最初の4週間(28日間)」のものです。いわゆる「瞬間風速」的なデータであって、決して、「この1年間の視聴数」ではありません。

 The New York Timesの記事では、「Netflixのこれまでの4回分の4半期決算の報告資料から、最初の4週間の視聴数が公表されている作品を、ベスト10形式でリストアップしました」と言うべきところなのですが、下記のようにわかりにくい表現になっています。

By Wednesday afternoon, with the release of its third-quarter earnings for 2019, Netflix had gone public with the viewership data for a year’s worth of its most-watched original movies and television shows, from last October through last month.

And a pair of top 10 lists emerged. 

 水曜日の午後までに、2019年の第3四半期の収益が発表され、Netflixは昨年10月から先月まで、最も視聴された1年分のオリジナル映画やテレビ番組の視聴率データを公開しました。そして、トップ10のリストが現れました。(グーグル翻訳)
​ ​

 グーグル翻訳ではわかりにくいですが、視聴数データの背景の事情も含めて意訳すると、「第3四半期の決算資料が出たので、昨年10月からこの9月にかけて『最初の4週間の視聴数』が公表されているオリジナル作品のデータがそろいました。そして、『最初の4週間の視聴数』のトップ10の作品がわかりました」ということのようです。

 あたかも、4半期決算資料と一緒に、「9月までの1年間の視聴数ベスト10」の資料が出たかのような印象を与えている点が問題だと思います。グラフだけ見ると、あるいは記事を読んだとしてもそういう印象になっていると思います。

  The New York Timesのグラフには、「Top movies by viewership,October 2018 to September 2019」という表記がありますが、 視聴数は、決して年間累計数ではなく、「リリース直後の4週間の視聴数」です。 年末・年始や夏休みなど、ホリデーシーズンにリリースされた作品は、最初の4週間の視聴数が、瞬間風速的に多くなりやすいなど、意味のある比較ができる数字ではないかもしれないことに注意する必要があります。

  最初の視聴数はそれほど多くなくても、徐々に視聴数が増えている作品もあるはずです。

 それから、4半期決算資料で紹介されている作品は「抜粋」の可能性もあるので、ベスト10に入るべき作品が漏れている可能性があります。

 また、最近リリースされた作品以外で、累計視聴数の多い過去の作品は、いくら視聴数が多かったとしても含まれていません。つまり、最近の4半期決算資料では紹介されていない過去の作品は、まったく含まれていないことになります。

 そして、The New York Timesのこの記事の内容を紹介するブログなどがあったりしますが、「この1年間の累計視聴数ベスト10」と誤解させるような表現が多いようです。明らかに間違っているものもあります。

 また、「ネットフリックスが、年間ベスト10を発表した」と誤解しているケースもあります。
The New York Timesの記事の書き方からすると、誤解しても仕方がないと思いますが。

 最大の問題は、ネットフリックスが、作品別の累計視聴数のデータを公表していないことなのかもしれません。

 ネットフリックスが、作品別の累計視聴数を公表していないのに、既存資料で「年間ベスト10」を無理にまとめようとするので、よくわからない「年間ベスト10」になってしまっているのだと思います。

 以上のことは、私もNetflixの4半期決算報告資料の「コンテンツ」の項目で紹介されているオリジナル作品に注目していたので気づいたのですが、The New York Timesのように「年間ベスト10」という形式でまとめる、という視点はとても参考になります。

 ただ、The New York Timesは、「最初の4週間の視聴数」の年間ベスト10であることをもっとわかりやすくした方がいいと思います。でも、「ページビュー」を得るために、「年間ベスト10」のヘッドラインを強調しているようにも思われ、「最初の4週間の視聴数」であることを、わざと明確にしていないのかもしれません。​​​​とりあえず、「人気作品」がわかればいい、というスタンスなのでしょう。まあ、「人気作品」がわかりさえすればいいのは確かですが。

 私も、もう少しで
The New York Timesの「年間ベスト10」の記事をそのまま紹介するところでした。というか、グラフをそのまま貼り付けてしまっていますが、あくまでも、データ表示の問題点を指摘するための「引用」です。

 確かに、ランキング形式になっていると、わかりやすいと思います。映画の「Bird Box」など、上位の作品はぜひ観てみたいと思ってしまいます。しかし、「Bird Box」は18年12月リリースという、「最初の4週間の視聴数」が伸びやすい時期にリリースされているので、実力以上の視聴数になっている可能性があります。IMDbの評価では、とても高いとは言えないようです。視聴した人の評価も参考にした方がよさそうです。
​ 
 下記の「Business Insider」の 記事では、「最初の4週間の視聴数」の他に、「Rotten Tomatoes critic score」の評価の指標や批評などの情報も併記しています。
「最初の4週間の視聴数」が多くても、評価の低い作品があることがわかります。「最初の4週間の視聴数」だけで判断しない方がいいみたいです。
Netflix's 8 most popular original movies and TV shows that it has shared viewership data for

 暦年の1年間ではなく、「昨年の10月から今年の9月までの期間」でまとめているのは、年末・年始を控えた時期に、「どの作品を観ようか」という関心が高い時期に、記事を合わせるためでしょうか。

  ネットフリックスの契約数の増加は、Q4(10月~12月)とQ1(1月~3月)の時期に多いので、「関心の高い時期」としてこのタイミングで記事にしたようです。
 
  これからの時期は、ネットフリックスにとっても「書き入れ時」のはずですし、「Apple TV+」などの競合サービスが始まる時期でもあるので、ネットフリックス自らがランキングデータを公表すればいいのにと思ってしまいます。


★関連記事・おすすめの記事 ​​​

◆今後、アマゾン・プライム・ビデオは「Edge」ブラウザで観ることにしました:動画配信サービスの「HD」画質と「HD 1080p」画質。回線速度によって決まるというけれど、それは本当でしょうか?

◆Netflix:「ストレンジャー・シングス NG集」が公開されました:「Bloopers」とは「NG集」のことでした。​

◆Netflixの4半期決算報告で紹介されている作品は?:決算報告資料は、Netflixの話題作を探す一つの手段です

◆Netflix (NFLX)の第3四半期決算発表で、NFLXの株価上昇:1株利益が予想を上回る:「ストレンジャー・シングス」効果?で有料会員数の増加数は前年同期を上回る

◆Windowsパソコンで、Netflixを観る時に、Windows Sonic for HeadphonesやDolby Atmos for Headphonesをオンにする理由:「Amaze」トレーラーの録音データの分析から:Reasons to turn on Windows Sonic

◆やっぱり、Windowsパソコンで、Netflixを観る時に、Windows Sonic for HeadphonesやDolby Atmos for Headphonesをオンにする理由:「Amaze」トレーラーの録音データの分析から(その2)

◆How Windows Sonic looks like.​​:Windows Sonic for Headphonesの音声と2chステレオ音声の比較:7.1.2chテストトーンの比較で明らかになった違い:一目で違いがわかりました

----------------------------------------------------------------------------------------------------------
​​





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2019.11.19 16:02:48
コメント(0) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
別の画像を表示
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、こちらをご確認ください。


PR

Recent Posts

Free Space







Rebatesお友達紹介キャンペーン

​​​​

Category

Archives

Comments

digital_21@ Re[1]:◆【新型コロナ】やっぱり、PCR検査(08/02) 背番号のないエース0829さんへ すてきな内…
背番号のないエース0829@ Re:◆【新型コロナ】やっぱり、PCR検査 「日本一遅い成人式が、無事終了 !!」に、…

Keyword Search

▼キーワード検索

Rakuten Card


© Rakuten Group, Inc.