テーマ:毎日、一歩一歩。(2526)
カテゴリ:ゆみの一歩一歩<前向きにいこう>
試験場に入ると、まだ一人しか来ていなかった。 ゆみにしては上出来。まだ20分前。 受付の人が、何度も聞く。 「勉強はしてきましたか?」 「はい、一応は。」 「緊張してますか?」 「はい。」 「大丈夫、早く来られた方は、得ですよ。」と、にっこりと笑ってくれた。 試験なんて、いつ振りだろう。大学卒業してから取った資格なんてない気がする。 夕べは勉強を途中で諦めて寝てしまったんだけど、今日の授業中におさらいをすれば、 まだ間に合うんじゃないかと思っていた。 授業中は、一切の飲食は禁止だけど、休み時間のためにミネラルウォーターと、 チョコレート効果をSUICAで買って、おトイレも済ませて教室に入った。 席は決まってる。今回は、一番前の一番端っこでした。 壁際の冷気が降りてきて、いつにも増して寒そうだから、毛布は最初からかけていた。 だんだん人が集まってくると、講師の先生が、 「では、始まるまで・・・私は独り言をぶつぶつ言いますから、聞きたい方は聞いていたら いいと思いますよ。」 ・・・ヒントだ!! 試験の前に、「ココが出ますよ。」と教えてくれてるんだ。 やっぱり早く来てラッキーだったんだ。 とほっとした後に、 「試験は、最初の15分です。その後採点と解説があって、答案を集めた後、 いったん休憩します。」と、講師の方が言う。 え?最初? 聞いてないですー!! おさらいを兼ねた授業をしてからじゃないんでしょうか? ^_^; うっそー。今からいきなりテストだー!! 慌てて、講師の方の独り言に集中する。 テキスト全快!マーカー引いた単語を、手当たり次第書き記してみる。 「書かないと覚えないよ。見てるだけだと、いざ書こうとすると覚えてないから。」 と、普段うちの若者にゆみは言っている。 あー、もう、頭パニックになりそう。 前のスクリーンには、カードについての数値表が映し出されている。 きっとこれも出るんだろう。 「○○○は、みんな覚えていらっしゃいますよね。 挨拶の表現は、一字一句間違えてはいけないんですよね。 緊急時・防犯は・・・。 ココの専門用語は・・・。サービスの精神は・・・。 個人保護法とは・・・? 食品衛生の上では・・・?etc。」 講師の方の独り言は、どんどん早くなる。待って~! 「では、時間です。皆様お揃いになりましたので、筆記用具一本だけ机に出して、 テキスト一切は、机の中に入れてください。」 あー、昔、何度もこんな瞬間があったよねー。 そのたびに、もっと勉強して来ればよかったー!って、思ったんだっけ。 でもなんか、今が一番ドキドキする。 「制限時間、15分。裏表あって、アンケートもついてますから、お忘れなく。」 テスト用紙を見たとたん、一瞬頭が真っ白に・・・。落ち着け、ゆみ。 勉強したはず。 全て記述式。挨拶文は・・・あれ? ここに「どうぞ」は入ったっけ? 「いかがいたしますか?」だったか、それとも「いかがいたしましょうか?」だったか。 細かい表現のニュアンスや、送り仮名が難しい。ここは漢字?ひらがな? 時間がないので、イメージで思いつくままに書いて、あっという間に終了時間。 とりあえず・・・全部書いた! 赤ボールペンが、配られる。自己採点? え?嫌な予感・・・ 「それでは、お隣の方と、答案用紙を取りかえっこしてください。」 アー!当たった。 お隣は、とってもきちんとした黒のスーツのきれいなお嬢さん。 企業名は、メンズファッションだった。 ざっと見たら、みんな合ってるみたい。すごい。 「では・・・はじから、答案の答えを読んでもらいます。株式会社○○の○○ゆみさん。」 あ、ゆみからだ。 緊張する。人の答案を読むわけだから。答えはゆみと同じ。 「はい、その通りですね!!」 ああ、よかった。 隣のおねーさん、完璧に100点だ!! 間違いがないから、配点で計算しなくていい。 ゆみは・・・えーと、自分はなんて書いたんだっけ? ボーっとして、自分の答えも忘れてる。確か、合ってたと思うけど・・・ あれ?そこに、「どうぞ」って入れたっけ? 採点と、解説が終わって、点数の横に、自分のサインと100と、花丸を書いて、 「すごいですねー!!100点ですよー!!」とお返ししたらおねーさん・・・ 「あら、あなたも100点じゃないですかあ~!!」 え?ほんとに??? わーい!!ゆみも、100点だー!!\(~o~)/ 答案用紙が後から集められてくる。後ろの二人は、共に70点。 でも、「合格でしたね。」と、男の人と女の人、握手してる。65点以上が合格。 受けた人は60人。次の休み時間に、合否の発表があった。 「今回はみんな優秀で、80点以上とれた方がいらっしゃいましたよー。」 隣のおねーさんとゆみ、にっこり。 がんばったんだねー。自分たち。 100点合格は、自分でも予想してなかったので、ボスにメールした。 「よく出来ました。」とすぐ返信が来た。 そして、そのあと、4時間の授業。 寝たと思う? いえいえ、なんだか意欲満々、新しいテキストも配られて、 真剣に聞いた。 と言うか・・・講師の先生は、二時間ずつお二人だったけど、授業がとても上手でした。 ディスカッション方式なので、突然指名されるから、寝てなんていられない。 ゆみも指名された。 スクリーンには、各企業のコーヒーの値段。 どのコーヒーを選ぶか、その理由は?と言う質問が何人かにあった後、ゆみ。 「コーヒーはお好きですか?」 「はい、好きです。」 「では、120円の缶コーヒーを飲んで、おいしくなかったらどう思いますか?」 「缶コーヒーだから仕方ないかな?と思います。」 「そうですね、では、珈琲専門店の1000円のコーヒーを飲みましょう。 それでもまずかった。そのときはどう思いますか?」 「がっかりします。」 「それで? 訴えますか?」 「あ、いえ・・・」 「優しいですね。私なら怒りますよ。なぜまずいんだと・・・ どうしてそうなると思いますか?」 「それは、期待が高かったからだと思います。 専門店で、1000円もするのだから、さぞおいしいだろう、 器や、お店の雰囲気や、接客の態度も、ちゃんとしているだろう、と予測したからです。」 「そのとおり。 いいですか?皆さん、私達は、常に1000円のコーヒーを 提供している立場なのです。 その期待に見合ったサービスをお届けできなければ、お客様はがっかりしてしまうのです。 缶コーヒーの10倍近くの、お客様に感動していただけるサービスを精一杯尽くして、 それがこれからの皆様の当たり前の日常になるのです。」 ウンウン。そうか。 期待通りのサービスで、感激していただくことは、当たり前。 期待以上のサービスで、感動してもらえることを、日常とする。 そのための、決まりごとや、心の持ちよう、自分の意欲や姿勢を、 わかりやすい例えで、お話してもらいました。 ゆみだけじゃなく、そこにいるみんなが、ウンウン、と話に引き込まれていました。 会場は、寒くて手がかじかむほどでしたが、皆さん、いろいろな企業から、 代表として、この講義と試験を受けに来ている方たち、不思議な一体感がありました。 法律的なこと、知識的なこと、数値的なこと。覚えなくちゃならないことはいっぱいあります。 でも本当に大事なのは、接客の心を自分自身が持つこと。 ここでゆみは思い出しました。Yahoo掲示板にかつて有ったトピ。 「☆★やっぱり飲食業・接客業が好き!★☆」 ここを立ち上げたトピ主の方と過ごした日々の中でゆみが心に培ったことは、 ゆみの中にずっと生きています。 好きじゃなくちゃ、出来ないお仕事だと思います。 でも、そこで精神を共有してがんばる仲間がいることは、すごく気持ちがいいことです。 テキストにこう書いてありました。 <私たちはお客様をおもてなしする立場です。お客様とは対等ではありません。> これが素直に納得できない、という人はやっぱりこのお仕事には向いてないのでしょう。 ゆみは・・・おもてなしをする立場、というところにワクワクします。 講習が終わって、ボスの指示通り、マネージャーさんにご挨拶に伺う。 「100点だったんだって? 偉い偉い!! 期待したとおりだったよー。」 あ、もうボスが報告してたのか。 御礼の電話をする。 「授業全部、受けさせてもらって、すごくよかったです。」 「合格おめでとう。この資格はね、取れたことをすごく誇りに思っていいものですよ。 これから一生、持っていられる資格だからね。 全国どこに行っても評価される、これから業界で仕事をしていく上で、 いつでもどこでも価値のある称号だからね。 財産だから大事にしてください。今後、自信持ってがんばっていきましょう。」 とボス。 ちょっと感動。 授業に出られて、ほんとによかった。 人知れず、大きな一歩。でした。 ということで、忙しかった日々ですが、ちょっと一段落。 しばらくは、今一度、自分に向き合う期間をとりたいと思います。 あ、いつもゆみをダメダメだと思ってる方、たまにはお褒めの言葉を・・・ ここで勢いづいて、バンバン外でお仕事すると、またカラダを心配されそうなので、 とりあえず、充電期間といたします。 たまにはいたわってあげないと、壊れるのが早そうだもんね。・・・偉い心構えでしょ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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ブラボ~yumiちゃん。
合格おめでとう(*^^*) しかも、満点だなんて素晴らしい~☆ yumiちゃんって、根っからサービス業に向いているんだと思うよ。 だって、サプライズ好きだし、人が喜ぶのを見て幸せになれる人でしょう。 それでさらに接客業の資格を習得したということは、大きな自信に繋がると思います。 着実に進化しているyumiちゃんに拍手です~♪ おめでとう~(拍手) (2007年07月26日 09時10分06秒)
裕さん、嬉しいです。コメント。
たまには誰かに褒めてほしくなっちゃうよね。 いろんなことがんばろうと思って、前に進もうって、もがいてる。 ここで一歩。で、ちょっと立ち止まるための節目なの。 きっとこれからも、接客に関わるお仕事は続けていくと思います。 そのために、自信のつく、というか、自身持ってもいいんだよ、というご褒美がもらえたようで、 一区切りがつきました。 これからどうやって生きてくのかな。ちょっと考え中。 まずは、8月のテディベアテラスに向けて、準備スタートです。 日記、書けそうで書けない日々ですけど、見守っててね。 (2007年07月26日 19時14分23秒) |
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