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お寿司でも鰻重でも松竹梅、また洋食のコースでもABCと、料金が3種類の ものを用意している、お店が多いです。これを、実はビジネス界では、 < 松竹梅 >の法則といいます。
日本人は、 「 一番安いものはちょっとなぁ・・・
といったように、高い松か安い梅かの両極端を回避して、真ん中の竹を選ぶ人が 多くなる傾向があるそうです。
そんな人間の行動を心理学では、「 極端の回避性 」とか「 中心化 傾向 」と呼んでいます。これは、世間体や見栄が大きく心理的に働いて いるからで、匿名性の高いインターネットでこの理論に基づいて、3通りの 販売をすると一番安いものが、一番多く売れる傾向にあるというから、面白いですね。
この竹を選ぶ心理の一つに、日本人が重んじる< 中庸 >という、価値観も あるかもしれません。これは、意識するとしないとにかかわらず、日本人の DNAとして千年以上の昔から、受け継がれている価値観からなのです。
< 中庸 >とは、孔子の『 論語 』のなかで、「 中庸の徳たるや、 それ至れるかな 」と書かれたもので、それから儒学の伝統的な中心概念として、 尊重されてきました。
そしてもう一つの、日本人の行動規範が、< 和 >。 あの聖徳太子が制定した十七条の憲法第一条に、< 和を以て 貴しとなす >と定められた< 和 >です。
人々がお互いに仲良く、調和していくことが最も大事な事であるという教え ですが、< 和 >を尊ぶ日本人は争いや対決よりも、調和と協調を 好みます。 それゆえに他人との衝突を避け、他人のことに介入することを、避けようとします。
日本では自己権利を主張する者は、秩序を乱す者として周りから敬遠、排除され、 村八分にされる風潮が、今でも社会や企業内に残されています。また、人間関係を うまく保つために、まわりの人たちとうまくやっていくことを、個人の権利主張より も優先するという空気が、いまだ日本社会には残存しているのです。
地域の市村長などのお上の権威に頼る傾向が、よくみられます。つまり、当事者双方で 白黒をつけず、水戸黄門や遠山の金さんに見られるような、「喧嘩両成敗」的な 穏便な人情味ある解決方法が、喜ばれるわけです。
法に訴え自らの権利をオープンに主張し、相手の誤りを指摘する方法を採択する。 日本社会の「 義理 」や「 人情 」といった、非論理的な判断基準が 入り込む余地は全くありません。
日本人が世界基準で丁々発止戦うためには、中庸と和という因習から脱却し、 言いたいことを発言し、そして自分のやりたいことをやり通す、新しい価値基準を 共通概念として保有する必要があるとは、思いませんか?!
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